第3話 夫婦の営みは義務?

とある晩、僕はムラムラしていた。

それはきっと先ほど鑑賞した映画でちょっとエッチなシーンがあったからだろう。


僕は映画が大好きだが、妻はさほど興味がない。

だから妻はその映画を観ていない。それどころか僕が映画を見始めた時間(21時頃)にはもうベッドインしている。

映画を見終わったこの時間(23時半)には熟睡しているであろう。


今から妻を起こして事に及ぶというのは気が引ける。


僕と妻はともに29歳である。

男の29歳は高校生の性欲とさほど変わらないと思う。(僕だけ?)

妻はそんなに性に欲がないため、わざわざ寝込みを襲うというのは後々が怖い。


いつもなら諦めて寝るのだが、今日は少し違った。


なぜなら、映画のカップルがすげく楽しそうだったのだ。

羨ましい!僕もイチャイチャしたい!

という欲求と妻に怒られる恐怖が交差する。


5分ほど考えて結論が出た。


妻を起こさないように事を済ませようと。

思い立ったらすぐ行動がモットーである。


こっそり寝室に忍びこみ妻の布団に侵入した。


まずは、妻のコブに手を当てる。










「何やってんの」






!!???!??











『あ、いや、あの、、、』


起きてしまった。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があって、レムがあれでノンレムがあれなんで、あれがあれで・・・。

そんなことはどうでもいいのだ。

妻は起きてしまった。


「なに嫁に夜這いしてんの」


『いや、あの〜。はい。すいません。』


妻が鬼に見えた。正確には真っ暗なんではっきりと見えてはいないのだが、鬼みたいな顔してるんだろうなと直感した。







「したいなら普通に起こして。」


『え?』


「したいんでしょ?したいなら夜這いなんてしないで普通に起こして。」


『はい!わかりました!すいませんでした!』


「今日は疲れてなかったからいいけど、疲れてる時に夜這いしたらぶっ飛ばすぞ。」


『はい!神様!ありがとうございます!』



妻は優しかった。



質問:夫婦の営みは義務?

結論:夫婦であっても夜這いダメ絶対

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る