名は体を表す (花金企画 お題らしさに寄せて)

 学内のカフェテリア。恋人の梓と一緒に、間もなく始まる就職戦線に備えて、俺は採用面接用の模擬シートに向き合っていた。

 指示に従って、と思うところを書きだそうとするのだが、どうにもこうにも思いつかない。わざと梓に聞こえるように呟いてみる。


「俺らしいところって、どこだろうな?」

「そうだね~」

 

 案の定、梓は直ぐに反応して考え始めてくれた。のだが……


「ゲーム馬鹿、野球観戦馬鹿、お人好しな馬鹿、ラーメンに目が無い馬鹿、酒に呑まれる馬鹿、それから……」

「もういいよ。お前なんでもかんでも後ろに馬鹿ってつけるのはやめろよ。馬鹿の一つ覚えみたいに」

「あははは。だって本当のことじゃん」

「じゃあ、お前、馬鹿と付き合っているのかよ」

「まあね」

「馬鹿でもいいのか?」

「あばたもえくぼ」

「へ?」

「意味わかってる?」

「お、おう」

「やっぱ、馬鹿だわ」


 梓は屈託なくケラケラと笑った。

相馬史佳そうまふみよし、相の字とったら『馬と史佳しか』でウマシカ、つまり馬鹿。名前に入っているんだから、もう決定でしょ」


 だから俺らしいだってさ! 悪かったな。


     おしまい!



こんなダジャレのような物語でごめんなさいm(__)m


【お題】らしさ

【レギュレーション】 食べ物を入れる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る