　夏が好き

　素足で居られるから

　細いストラップのサンダルから、ペディキュアを覗かせることができるから

　食品に関わる仕事

　指先は染められない

　つま先限定のおしゃれ

　でも、私は自由を手に入れる

　ペディキュアの色は私の心

　ある時は

　煌めく夜空に秘めた想いを閉じ込めて

　ある時は

　軽やかなパステルカラーに恋心を弾ませて

　そして今夜は

　抑えきれない激情を艶めく朱色に込めた

　そうしてあなたの前でこれ見よがしに足を組みなおすの

　誘うようにつま先を揺らしてあなたの瞳を待つわ

　あ、視線が動いた！

　まんまと私の罠に嵌ったあなた

　吸い寄せられたあなたの目の前で

　ペディキュアに込めた想いを解放する

　ねえ、私と恋をしない？

　鮮やかな一夏、一緒に過ごそうよ！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい