第7話 やけ酒の結果は……

「あれ……?」

「適当に買ったけど、何かアルコールが何時もより強いような?」

「まぁ、良いか…。本当に酔いたい気分だし…」


 今飲んでいるのは、強アルコール系飲料だと気付くのは、かなりの時が過ぎてからで有る。

 2缶目の半分ほどで、俺の頭がグルグル回り出して、体全体がフワフワする感じに成ってきた。

 頭に思いついた事をそのまま1人喋りしており、完全に酔ってしまった様だ。


 同時に眠気も来たらしく、少し伸びをして、視線をテーブルの方に戻すと置き人形が目に入る。俺はその人形を持ち上げる。

 ガチャガチャから出て来た人形だから、親指サイズの人形だ。


「お前さんは良いわな~、のほほんとしていて~」

「羨ましいよ…」


「……」


「もう、俺は駄目だよ……」

「彼女を作ろうとしたら美人局に出会って、金が無いのに金を取られて、仕事も暴力行為の影響で中々決まらず、どうしたら良いんだよ!!」


「……」


「君みたいな子どもの女の子でも、俺の側に居てくれたら、俺は立ち直れるのかな?」


「……」


「ねぇ、答えてよ!!」

「聞いて居るでしょ!?」

「……まぁ、無理だよな……だって、人形だもん」


「……」


「でも……、君が人に成ってくれたら……嬉しいな!」

「一緒にご飯を食べて、彼女と過ごす生活をして見たい!」

「今は誰かと一緒に、この窮地きゅうちを抜け出したい!!」


「……」


「何、言っているんだ俺…。そんな事起きたら、ファンタジーシリーズだよ……」

「ここは現実世界だぞ。夢を見てどうする!」


 俺が冷静に成ろうとした時に、何処からか声が聞こえて来た。


「しょうがないな…」

「面倒くさいけど……」


「えっ!?」


 それが、人形から聞こえたと感じた瞬間、俺は完全に酔っていたのだろう。

 急に回りがグルグル回り出して、意識が遠のいて行く……。どうやら飲み過ぎたようだ……

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