第33話「Re:SEArch」

 昨日の夜、部長のことで何か聞けないかと千波にメッセージを送った。

 その時のやり取りがこれだ。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――


「七緒水月って知ってる?」


「七緒? あのお高く止まったお嬢様のこと?」


「ああ、美人で評判の七緒さん」


「知ってるけど、遠くから見たことくらいしかないけど」


「それは知ってるって言わない」


「は!? 何、あんた喧嘩売ってんの?」


「違う。読者の何人かが思ったことが頭に入ってきただけ」


「何か悪いものでも食べた?」


「うん。グラトニーより食べ過ぎで飽食通り越して百週くらい回ってきた感じ」


「は?」


「時間〈話〉を戻すね」


「何言って……」


「ってことはクラスは違う?」


「そう」


「千波から見て七緒さんはどんな感じ?」


「どんな感じってどんな感じよ?」


「どう思うかってことだよ」


「んー。私ら庶民とは生きてる世界が違う感じ?」


「ふむふむ」


「ていうかあの子、友達いないんじゃない? 人当たりの良さそうな子に話しかけられたりはしてるみたいだけど、それ以外で誰かと一緒にいるところ見たことない気がする」


「変な噂とか聞いたことない?」


「どんな?」


「実は変人、とか」


「変人なの? あの子」


「実は病気、とか」


「病気なの? あの子。だからみんな距離おいてるわけ?」


「いや、俺も知らん」


「はぁ!? 何よそれ<(`^´)>」


「気になっただけなんだわ」


「……。ははぁん( ̄ー ̄)ニヤリ」


「なんだよそのあからさまな反応は」


「あんたあの子のこと狙ってんでしょー?」


「はあ!?」


「ふーん。そっかあ。ああいうのが好みなんだあんた。へえー(ΦωΦ)フフフ……」


「ああ。実は狙ってるんだ」


「ビンゴー! さすがとある界隈で女王と呼ばれるあたしね! ふっふーん( ・´ー・`)どやどや」


「違う意味でだけど」


「は? 違う意味って何よ?」


「それは言えない」


「言えないようなことなわけ!? 犯罪犯す気!? あんた!?」


「そういうのはもう懲り懲りかな……」


「犯罪者がいる! おまわりさん! ここに犯罪者がいますよー!」


「日本を、世界を救うためなんだよ」


「あんた……」


「?」


「頭でもぶつけた? なんか変なものでも吸ったんじゃない? 記憶にないだけで」


「そんなはずは……あ!」


「あるの!?」


「ハンドガンとショットガンで頭撃たれたことはあったかもしれない……」


「即死じゃん!?」


「……ああ。死んだ」


「決定。やっぱあんたどっかおかしいわ。医者行きなさい、医者」


「ありがとう千波」


「あ? 何がよ?」


「いろいろと」


「そこははっきりしなさいよ! まったく……」


「じゃあまたな」


「はいはい。ヤケになって変なことしないでよ? 知り合いとして事情聴取とか勘弁だから」


「千波とならヘンなことしてもいい?」


「タヒね!!!」


「そんな千波がスキ……」


「マジでキモいからやめて」


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――


 意外と重要な情報が得られた。

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