レール

ペコロス

行き先

プッシューーー


音を立てて開くドア。


行く当ても無く

ポケットに入った小銭でも買える

切符を買い。


ただホームに立っていた。


何も考えずふらっと乗り込む。


プシュッーと音を立てて閉まるドア。

ゆっくりと動き出す電車。


「どこまで行くの?」


急に声がした。

目線を下げると少女が不思議そうな顔で

こちらを見上げていた。


戸惑った顔で見ていると

「どこまで行くの?」

ともう一度聞かれた。


少女の問いに対して

ただただ黙って首を傾げた。


少女は不思議そうな顔をして言った。


「自分の行き先も分からないなんて変なの」


何も言い返す事も出来ずにただ黙った。


少女は呆れた顔で歩いて行き

座席に膝をつき窓から外を眺めていた。


車内の乗客はその少女1人。

ふと動き出した電車の外を見る。


暗く灯りの少ない街

知っている風景と違って見えた。



「どこに行きたいんだろう。」

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レール ペコロス @pekopekopekoros

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