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入籍は安定期に入ってから、結婚式などは行わない事などを伝えた。


「祐也くんと話して決めた事なら賛成するわ!」

「陽花ちゃんはそれでいいの?」

「産後でもいいから陽花が落ち着いた時、写真だけでも撮れるといいわね!」

私たちのことを沢山考えてくれていた。


それでも重い空気のまま。

ここにいる全員の顔が不安な顔に見えた。

何を話すべきか悩んでいると、頼んでいたドリンクを持った店員さんがあたふたしていた。

「大事なお話中すみません… お、お飲み物をお持ち致しました。」

「あら、気が付かずにすみません。さあ、飲み物も来たところですし、今日は楽しみましょう!」

私の母は空気を明るくするのが特技なのかもしれない。



食べ物が届くまでの間、私たちの馴れ初めを話すことになった。


「陽花さんとは僕の職場で出会いました。えっと…」

「職場の飲み会に来ていた私に連絡先を書いた紙を渡してきたんだよね!」

と、思わず突っ込んでしまった。


「あら、ドラマみたい! 憧れるわー!ねぇ?美智子さん!」

「ほんと!そんな恋愛してみたかったー!」


私たちは不安を忘れ、笑顔がいっぱいの食事会へ変わった。


食事を終える頃には母同士は仲良くなり、二人でお茶をする約束までしていた。

父は?あれ。祐也のフォローをしたあたりから無口な気がする。


後日、母から当日のお父さんの心境を聞いた。

「お父さんも緊張していたみたいだよー。でも祐也くんの必死な顔をみたら、過去の自分を思い出したみたい! きっと当時の彼はフォローして欲しかったのね!」


存在感が薄いと思ってたけど、とても暖かい人だと改めて思った。

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