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少しの間、沈黙が続く。

「怒っているのかな? 堕ろすように言われるのかな…」考えただけで涙が出てきそうだった。


私の顔を見た母が口を開く。

「授かり婚は反対しない。それに相手が祐也くんなら安心だわ。でも貴方たちはまだ社会に出たばかりの人間だよ。 親になる覚悟は出来ているの?」

「それは…」

「反対するつもりはないよ?ただ無責任に喜ぶ訳にも行かないの。育児はおままごとじゃないから。」


母なら受け入れてくれるとと思っていたから少しショックだった。


具体的な事は言えないけど、これだけは心に決めている。

「私はこの子を幸せにしてあげたい」

その言葉を聞き、いつもは存在感の薄い父が

「何かあれば頼りなさい。けど、全てを頼ろうとしないこと。親として夫婦として二人で頑張りなさい。」

そう怖くもありたくましい顔をしていた。


強く拳を握り”家族”の会話を聞いていた祐也が話し出す。

「僕から何も言えず、情けなくてすみません。

そして、安心させられなくてすみません。でも、絶対に。絶対に陽花とお腹にいる子を幸せにします!!」


その言葉を聞き少し安心してくれたのか、

「ちゃんと向き合えるなら応援するわ。お父さん、私たちにも孫が生まれるのね!」と微笑む母によって部屋の空気が明るくなった。


顔合わせの予定を決め、「今日は疲れてるだろう」と父の優しさに甘えて自宅まで送ってもらった。



顔合わせまで一週間。

「それまでにやるべき事を調べなきゃ。」

そうスマホを見たはずなのに、そのまま眠ってしまった。

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