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病院から帰り親に電話をしてみることにした。
「あ、お母さん?陽花だけど…」
「あら!電話してくるなんて珍しい! 何かあったの?」
いつもの母の声。なんでだろう、声を聞いただけで泣きそうになってきた。
「直接会って話したい事があるんだけど、今日の夜、家に行ってもいいかな?」
「当たり前じゃない。ここはあなたの家よ? 今日は祐也くんも来るのかしら?」
「うん。二人で行こうと思ってる。」
「そう。気をつけて来るんだよ?お父さんに真っ直ぐ帰って来るように伝えておくね!」
母との電話を終え祐也を見ると、電話をしていた。
「え?!出張か… いつ戻ってくるの?」
電話の相手は女で一つで二人の子供を育てたお母さんだ。
祐也が小学校2年生の時、お父さんの不倫が理由で既婚をしている。
ちなみに弟の拓也くんは今年大学生になったばかり。
「母さん長期出張だってさ。顔合わせの日程決めてくれれば一回帰ってくるって!」
「夜お母さんたちと日程決めなきゃね。」
手見上げを買い、電車で一時間程の実家へ向かう。
妊娠の影響なのだろうか。ぼーっとしていて、今日何をしたかパッと浮かばない。
「陽花も緊張してるの?」
「ちょっとね!それよりなんか体がだるくて…」
「今日は慌ただしかったからね… せっかく座れたし寝てていいよ!」
祐也の肩に身を任せ、心地よい揺れですぐに最寄駅に着いた。
笑顔で出迎えてくれた両親。
少し近状報告をし、本題に入る。
結婚をする事、お腹に子供がいること、アルバイト先を辞め暫くは専業主婦になる事。
そして今日貰ったエコーの写真を見せた。
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