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言うべきか悩んだ。

妊婦がこんな弱音を吐いていいのか。

それでもこの胸の苦しさに耐えられず口が開く。


「私なんかが親になれるのか、授かり婚で批判されないか…不安がいっぱいです。」

「陽花さん。妊婦さんはね?みんな不安で沢山悩んでいるんだよ。」

その言葉を聞き気がつくと涙が溢れていた。


「ホルモンバランスが変わるのもあって、情緒不安定になったりもする。 嬉しかったり怖くなったり、自分は親に向いてない、授かり婚だから、片親だからって自分を責める人もいる。でもこれだけは覚えておいて欲しい。」

そう言うとさっき貰ったエコーの写真を目の前に置いた。

「この子は今、陽花さんのお腹に居る。 今はまだ直接触れることは出来ないけど、お母さんの温もりを感じて生きている。 不安な事もあると思うけど、赤ちゃんも頑張いることだけは忘れないであげて欲しい。」


「そうか。赤ちゃんも生きようと頑張っているんだ。頼りない”ママ”じゃ赤ちゃんも不安だよね。一緒に頑張ろうね。」そう心の中で語りかける。


覚悟を決め、涙を拭った時横からすすり声が聞こえた。

隣に座っていた祐也は必死で涙を堪えていた。


触れるべきか悩んでいると再び山口さんが話し始めた。

「この子はいいお父さんとお母さんの所に来れたね! これだけ考えてくれる二人なら大丈夫! 抱え込まずにまた相談して! 私たちはいつでも応援してるから!」


一人じゃない、周りに頼ってもいい。

そして私たちは夫婦になる。同時に親になる。

いや、親になるんじゃない。もう親なんだ。

病院から出る二人の顔は凛々しくもあり優しい顔をしていた。

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