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私のお腹には赤ちゃんがいる。
現実を受け止めるのに必死で、気がつくと着替えを済ませ先生の前に座っていた。
「今旦那さん呼んできますね!」
山口さんは微笑み祐也を呼んでくれた。
不安そうな祐也に向かって先生が話し出す。
「妊娠してますよ!おめでとうございます!これから今後の説明をしますが、旦那さんでよろしかったですか?」
「いえ… でも結婚します。 これからよろしくお願いします!」
「そうですか。ではお二人で説明を聞いてください。次回の予約しておきますね。」
そう言うとエコーの写真をくれた。
別室で説明があると言われた。
待合室で準備を待つ。
「さっき一人で待ってた時、男の子に話しかけられたんだー!」
「どんな話したの??」
「お兄ちゃんもお腹に赤ちゃん居るの?って!」
「 可愛い!! 祐也はなんて言ってあげたの??」
「お兄ちゃんの大切な人に赤ちゃんがいるかもしれないんだ!って言ったよ!」
そう言うと照れた顔で陽花の手をにぎった。
「私たち親になるんだね...」
「陽花は嬉しくない…?」
「ううん。嬉しい。でも…祐也は怖くない?」
つい本音が出てしまった。
「んー。怖いと言う表現が合ってるか分からないけど、不安はある。 今の俺が親になれるのかなって。でも、嬉しい方が大きいかな!!」
「そうだよね… うん。この子を幸せにしてあげたいね!」
自覚するぐらい情緒不安定。
こんな状態で母親になれるのか…
山口さんに呼ばれ、今後の健診の流れや生活の注意などを聞いた。
お酒や煙草がダメなのは知っていたけど、コーヒーやお茶、マグロまで注意が必要なんて初めて知った。
先生が伝えてくれたのだろう。山口さんは優しく悩み事があるか聞いてくれた。
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