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私たちの周りはまだ大学生。
祐也は高校卒業と同時に飲食店へ就職した。
私はやりたい事が見つからず、フリーターをしていた。
「同級生で子供を産んだ子がいる」と噂を耳にした事があるが、親しい友達じゃなかったからそれ以上の情報はない。
妊娠したら何をするべきなのか、何を準備すればいいのか、何も知らなかった。
「たまにマタニティマークってみるじゃん?あれっていつ、どこで貰えるのかな? もし妊娠してるなら、陽花も付けなきゃね!」
「えーどこで貰えるんだろー。 ちょっと調べてみる!」
母子手帳と同時に役所で貰えると記載されている。
「役所とか駅の窓口でも貰えるらしい!」
「窓口?! 誰でも貰えるもんなんだねー!」
「母子手帳は?いつだ?!」
そんな会話を続け、明日の病院に備えて寝ることにした。
不安で寝れない。
ある芸能人が授かり婚だとニュースに取り上げられていた時、母親の悲しむ顔を思い出す。
「今は"授かり婚"って言うのね… 私の友人は順番も分からないデキ婚だ。親になる資格なんて無い!って周りに批判されて鬱になったんだよ。 子供を授かるって凄い奇跡なのにね。」
その時は何とも思わなかった。
なんなら批判する気持ちも何となく理解出来た。
授かり婚に対するイメージは”何も考えてない悪い人たち”と言うイメージがあった。
「私たちも授かり婚になるんだ。周りからなんて言われるんだろう。」
お腹にいるかもしれない子供。もし、本当に妊娠しているなら喜んであげたい。
それなのに、マイナスな事ばかり考えてしまう。
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