第3話 中世の成人年齢と結婚制度

(成人年齢について)

 転生ジーニアスでは、成人年齢が女は12歳頃、男は14歳頃という設定にしています。これは実際の中世期の扱いをそのまま持ってきています。


 例えば転生ジーニアスの中の話で言うと、神聖帝国皇帝フリードリヒⅡ世の2人目の妻であるイザベルⅡ世は10歳頃に婚約し、成人年齢を待って13歳頃に結婚しています。


 あとは時代は16世紀に下りますが、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のジュリエットが14歳という設定なのは有名な話です。

 現代の感覚からすると14歳というのはいかにも幼いですが、当時としては結婚適齢期ど真ん中という設定なのですね。ちなみにロミオの年齢は作品のなかで出てきませんが、常識的に考えて、ジュリエットと同じ歳か少し上とすると2人はすぐにでも結婚できる年齢だったということになります。


 このような設定にした関係上、フリードリヒの冒険者としてのスタートは、14歳以上だとすぐに結婚話が出てきてしまいますので、少し遡って10歳という設定にしました。

 また、パーティーメンバーはそれだと年下設定は難しかったので、同じ歳か少し年上、すなわちヴェロニアとヘルミーネは2歳年上、ローザは見た目14歳だが実は年齢不詳、カタリーナとプドリスは人間ではないので年齢不詳で、残るミーシャ、ネライダ、ベアトリスは同じ歳という設定です。


 ですが、実際にお読みいただいているのは現代人な訳で、年齢が低すぎて感情移入できないというコメントもいただきました。これをいただいたときは確かにそうかもと思いましたが、書いてしまった以上、後の祭りです。


 あえて言い訳をするならば、フリードリヒは前世の記憶を完全に持っているので、精神年齢は10+28歳で38歳ですからということくらいですかね。


 更に突っ込むとすると、10代の1歳差というのはとても大きいので、12歳の少女が10歳の少年を好きになったりするのかということもあります。

 これについては、精神的には大人だということと、肉体的にも発育がよくて10歳には見えないということでこじつけています。


    ◆


(結婚制度について)

 転生ジーニアスでは、フリードリヒはなにげに側室を持っていますが、実はこれは実際の中世にはない制度です。

 が、迂闊にも作者は日本や中国の感覚で側室のことを書いてしまい、これを前提にストーリーも考えてしまいました。


 実際には中世はカトリックが支配した世界でしたので、一夫一婦制度で、一夫多妻は認められていませんでした。妻以外に愛人を持つ貴族は多くいましたが、これはすべて愛妾であって、側室ではありません。


 転生ジーニアスの世界では、ギリシャの神様を無理やり突っ込むために、カトリックは実際の中世ほどは支配的ではないということにしていますので、貴族や大商人の間では一夫一婦制が崩れているという設定とでも言うしかありません。


 この点については、どうかご勘弁をという感じです。




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