第2話 時代設定はなぜ13世紀なのか?

 第4章まで読み進めていただいた方はわかると思いますし、そうでない方もさんざん前振りをしているので、おわりかりと思いますが、モンゴル帝国との対決を書きたかったというのが理由です。


 ただ、ちょっとだけ後悔したこともいくつかあります。


 魔法と剣のある世界を描いたファンタジーはかずかずあり、そのほとんどが中世を舞台としたものになっていますが、概ね華やかな宮廷があって、晩餐会でワルツを踊ったりしています。

 このような時代背景があるのは18世紀後半から19世紀前半頃の100年くらいなので、この感覚で書いてしまうと時代的な違和感が出てきてしまいます。


 では、13世紀はどうだったのかというと、実際のところよくわかりません。

 音楽といえば教会の讃美歌などが中心で、宮廷においてどのような音楽が演奏されていたのか、どんな踊りがあったのかなど資料がないのです。


 「転生ジーニアス」では、18世紀前半以前の状況を参考に書いています。


 オーケストラなどは存在せず、吟遊詩人などからなる楽隊規模の楽団であり、踊りもワルツのように男女が体を密着させるなどとんでもない話なので、フォークダンスのような素朴な踊りというものです。


 中世期の世俗音楽は各種配信サービスでも聞くことができますので、一度聞かれてみると面白いかもしれません。

 その際は実際の中世音楽と中世風の現代の曲は似て非なるものなのでお気をつけください。後者はゲームの音楽などによく見られるものです。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る