第2話 この街は

ソファから立ち上がった僕はスマホとペットボトルのお茶を持って玄関を開けた。そこには見慣れた雄大な景色がある。


上を見上げれば闇の様に暗いが、周りには街灯が大量設置されている。

広く広がっている空間の中に数多の集落がある。


─そう。ここは地下都市である。太陽の無い街だ。

僕らのご先祖たちは元は地上にいたようだが戦争に破れ、地下に逃げ、なんやかんやあってここまで広い都市を築き上げた、と学校で教わった。

地下と言っても地上世界の様に電波は飛んでいるし食べるものもある。まあそもそも僕は地上世界を見たことは無いが。


僕が住んでいる所はそんな地下都市の中でもビルなどのでかい建物が建ってる様な場所ではない、かと言っても凄く乏しいわけでもない区画の中でも地下の堀った跡の高い壁をマンションの様に住居が並んでいる所である。情報量が多いがこういう説明しか出来ないのでしょうがない。

因みにこの区画は一応「ナモット区」という名前がある。


そんなこんなで歩いていると目的の場所に着いた。

そう、「ジムサム図書館」である。いつも暇な時はよくここに来る。

ここはこの地下都市の中でも大きい方な図書館らしい。一般人なら誰でも満足出来る様な豊富な数の本が置かれている。僕は中に入り、今日もまたタイトルの雰囲気で本を選んで取り出した。

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