第31話 秋の三連休 その2

 翌日。

 私は朝の登校時。音羽ちゃんと木華ちゃんに動物園のお誘いをする。


「―――という訳で、今週の週末だけど、2人の予定はどうかな?」


「動物園…?」

「うん、私は行けるよ。恵那ちゃん」

「私(音羽)の家は今度の3連休特に、イベントは無いから!」


 音羽ちゃんからは、こころよい返事が来たけど、木華ちゃんの表情は何故か暗かった!?


「……ごめん、恵那ちゃん。私は一緒に行けない…」


 木華ちゃんは、申し訳なさそうに言う。


「えっ!?」

「もしかして、何か予定でも入っていた。木華ちゃん?」


「うっ、うん……。まあ、そんなところ…」


 木華ちゃんはそう言うが……普通の断り方にしては少し変だと感じた。


「へ~~。木華にも用事何て有るんだ!」


「うん。そう…。だからごめんね。恵那ちゃん!」


「木華ちゃん、謝る事では無いよ!!」


 用事が有るなら仕方ない。

 動物園は、私・お姉ちゃん・音羽ちゃんの3人で行く事に成りそうだな。


 ☆


 その日の晩ご飯後……


『♪~~~』


 普段は滅多に鳴らない、固定電話が珍しくなる。

 私は洗い物をしていたので、お姉ちゃんが電話を取りに行く。

 電話は廊下に有るから、話し声は台所からでは聞き取りにくい。

 しばらくするとお姉ちゃんが戻ってきた。


「恵那!」

「木華ちゃんから電話!」


「えっ!?」

「木華ちゃんから!!」


「そうよ!」

「動物園の事で、話したい事が有るそうよ!」


「動物園……行ける様に成ったのかな?」


 私は洗い物を中断して、電話が有る所に向かい『保留』ボタンを解除して電話に出る。


「はい。恵那です!」


『あっ、恵那ちゃん! 木華です!!』


「こんばんは、木華ちゃん。お姉ちゃんから話は少し聞いたよ」


『あっ、うん……』

『あのね……朝は行けないと言ったけど、行ける様に成ったの!』


「あっ、そうなんだ!!」

「動物園、一緒に行ける様に成ったんだ!!」


『うん!』

『だから、私も参加ね!!』


「分かった~~。じゃあ、お姉ちゃんにもその事を伝えておくね!」


『うん!!』


 ……


 木華ちゃんが最初断った理由は、家庭の状況を考慮して断ったらしいが、お姉ちゃん達に相談したら『行ってきなさい!』と言ってくれたらしい。

 これで、全員参加で動物園に行ける!


 ☆


 動物園に行く当日。空は青く絶好の行楽日和!

 時間通りに音羽ちゃん、木華ちゃんも家の前で集合してくれた。


『おはようございます~~』


 みんなで朝のあいさつをする。


「お姉さん、今日はよろしくお願いします!」


「音羽ちゃんと遊ぶのは久しぶりだね!」

「こちらこそ、今日はよろしく」


 音羽ちゃんとお姉ちゃんとの会話の後は、木華ちゃんがお姉ちゃんに話し掛ける。


「えっと、えっと、会うのは初めまして…、篠立木華と言います」

「恵那ちゃんのお姉さん。今日はよろしくお願いします」


 木華ちゃんは緊張しながら、お姉ちゃんに話している。


「あなたが、木華ちゃんね!」

「電話で話したけど、会うのは初めてだね!!」

「恵那からあなたの話は良く聞いているわ。よろしね。木華ちゃん」


「はい。よろしくお願いします!」


「それじゃあ、出発しましょうか!」

「みんな、忘れ物は無いわね!!」


 あいさつも終えて、お姉ちゃんの音頭で動物園に向かう。

 動物園にはお姉ちゃんの車で向かう。

 楽しい、1日になると良いなと私は思った!

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