第30話 秋の三連休 その1

 秋の季節は色々な祝日が多い。

 紅葉の時期にも入るため、お出掛けにはぴったり。

 お姉ちゃんが『何処かに出掛けよう』と、私に話を持ち掛けてきた。


「恵那!」

「今週末から3連休に入る訳だからさ、たまには何処か出掛けない?」


「何処か…。何処行くの?」


「それを、これから恵那と決めるの!」


「う~ん。お出かけね…」

「まだ、紅葉こうようの時期には少し早いよね?」


「うん、まだ早いよね。恵那!」


 私の町では、まだ紅葉は始まったばかりだ。

 例え、紅葉を見に行ったとしても少し早すぎる。


「私は直ぐには思い付かないけど、何処か候補は有るのお姉ちゃん?」


「候補は特にないけど……植物園なんかどう。恵那?」


「植物園か~~」

「私も植物は好きだけど、何か物足りない感じがする…」


「なら、動物園は?」

「恵那は動物好きでしょ!」


「動物園ねぇ~~」

「けど、夏休みの時に行ったばかりだからな」


 夏休み終わり頃、お姉ちゃんと山口県の動物園に行っている。

 あれから、しばらくの時は経っているが、また動物園に行くのも少し面白みが無い。


(植物園と動物園どちらかと言えば、動物園だけど……そうだ!)


 私は頭の中でひらめいた!

 これなら、きっと楽しい動物園に成るはずだ!!


「ねえ、お姉ちゃん!」

「……お願いが、有るんだけど良いかな?」


「んっ、何、恵那?」

「行きたい所思い付いたの?」


「お姉ちゃん、あのね…。せっかくなら、音羽ちゃんと木華ちゃんを、動物園に誘っても良い…?」


 お姉ちゃんにお願いをすると……お姉ちゃんの顔が急に不機嫌に成った!?


「……別に構わないけど、どうして…?」

「お姉ちゃんだけとは、行きたくは無いの……」


 当然、お姉ちゃんは少し“むくれた”顔で聞いてくる!


「ほら、前!」

「音羽ちゃんが木華ちゃんの事を嫌いって話を、お姉ちゃんに話したよね!」


「……でも、それは解決したんでしょ!」

「仲良くとは言わないけど、喧嘩はしていないのでしょ」


「仲直りはした事はしたけど……まだ、ちょっと壁が有るし、それに、みんなと行った方が楽しいと思ったから……ダメかな?」


「……」


 お姉ちゃんは“ムスッ”としながらも考え始める。

 お姉ちゃんは私と一緒に、遊びに行きたいのだろう。


「う~ん……。お姉ちゃんとしては恵那と2人で行きたいんだけどな!」

「けど最近…、音羽ちゃんとも会話らしい話はしていないし、それに恵那の新しい友達の木華ちゃん事も気になるし……まあ、いっか!」


「……良いわよ、恵那。誘っても!」


 お姉ちゃんは“やれやれ”の表情で言うが、私のお願いを聞いてくれた!

 私は笑顔で答える!!


「本当!」


「ええ!」

「でも、ちゃんと了解を得るのよ!」

「交通費はお姉ちゃんの車を使うから良いとしても、流石に入園料金や昼食は私のバイト代では厳しいから、その辺の事も伝えるんだよ!」


「うん、分かった! それで、当日は何時に出る予定?」


「動物園までは……あれ位掛かるから、ん~~、じゃあ、8時に家の前で!」


「朝8時に集合ね。ありがとう、お姉ちゃん!」

「私の気持ちを受け入れてくれて!!」


「!!//////」


「べっ、別にお礼なんか良いわよ!」

「恵那…。その言葉少し恥ずかしい!!///」


 お姉ちゃんは、恥ずかしそうに答えた。


(何で、恥ずかしいんだろ?)

(普通にお礼言っただけなのに)


 今度の3連休は、動物園に行くのは決まったけど、音羽ちゃん・木華ちゃんのお誘いは明日だ!

 まだ日にちも有るし、明日も普通に学校が有る。

 2人共、私の誘いに乗ってくれると良いな♪

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