第24話 友達からの相談 その2

 私は『冗談だよね…』と思いながら、もう一度聞いてみる。


「本当なの、音羽ちゃん……」


「……」


 けど、音羽ちゃんは返事をしない。

 音羽ちゃんは困った表情をしている。


「えっ、嘘だよね……」


「……うん。うそ!」


 急に笑顔に成って言う、音羽ちゃん!?

 中々の冗談を言う…。一瞬、本当にビックリしてしまった!!


「恵那ちゃん、質問が悪いよ~~」


「ごめん~、音羽ちゃん///」


「そう言う時は『どうして、好きに成れないの?』と。聞かなきゃ~~」


 これは音羽ちゃんに一本、取られてしまった……


「んじゃ、改めて聞くけど…、音羽ちゃんはどうして、木華ちゃんを好きになれないの?」


 私がそう質問すると、音羽ちゃんは真面目な表情で話し出す。


「木華は……何となく、子どもぽっいのよね~~」

「もう、私達は高学年なんだしさ! 木華が低学年に見える時が多いんだよ!!」


(音羽ちゃんも子どもなのに……。突っ込んで見たいなと私は思った!?)


「そう、だから、好きになれないのよ!」

「声は大きいし『ご飯はいつも茶碗2杯食べているから、良く食べるんだ~~』と、自らから言っているし、それに来年で○年生なんだから!!」


 何かを思い付いたように、“どんどん”話す音羽ちゃん。

 でも、なんとなく、無理に言葉にしているように見えた。

 音羽ちゃんが一通りしゃべった後、私は話し始める。


「う~ん。たしかに木華ちゃんは、元気すぎる感じはするけど、私は別に気に成らないけどな…」


「私が、気に成るの!!」


 音羽ちゃんは語気を強める!


「どうしようもないよ…。人の性格は簡単に変えられないし……」


 私は、そう言うしか無かった。


「……少し落ち着けば、木華を友達と再び思えるように成るはず」

「あの子。両親がいなくて、ああやって寂しさを、誤魔化している様な気がするから……」


 少し遠い目をして、話をしている音羽ちゃん。

 音羽ちゃんが急に大人びて見えた。


(何だか、自己解決しているんだけど!)

(私、必要ないじゃん!!)


(……音羽ちゃん。木華ちゃんを好きに成れないと言った割には、理解しているのだな)


「答え……出たみたいだね。音羽ちゃん」


「うん!」

「恵那ちゃんに話したら、すっきりした!!」


 音羽ちゃんは、何時も通りの表情に戻る。


「音羽ちゃん!」

「木華ちゃんは両親が居なくて、わざと元気な行動しているんだよ!」

「私も両親が近くに居ないから、寂しくなる時が有るもん!!」


「ならさ、恵那ちゃん」

「明日。木華ちゃんに会ったら、少し落ち着いて見てと言ってみる?」


「……言っても聞かないと思うし、これが木華だと言い出すと思う」


 私と音羽ちゃんは、その姿を想像して“くすくす”と笑った。


 ……


 無事? 音羽ちゃんの悩みも解決した後は予定通り、本屋さんに行き、お昼の時間だったので、スーパーのフードコートに寄って、音羽ちゃんとお昼ご飯を食べてから家に帰った。


 家の掃除は私が帰った時には、全て終わっており、お姉ちゃんはリビングのソファーで昼寝していた。

 昼寝している、お姉ちゃんに肌かけを掛けて、私も、直ぐ近くで昼寝することにした。


(私のお姉ちゃん)

(ちょっとお気楽さんだけど最近は、しっかりしているような気がする)

(そして、私の一番側に居てくれる人……)


 涼しい風が入ってくる、午後。

 私はゆっくりと、夢の中に誘い込まれて入った。

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