第23話 友達からの相談 その1

「恵那ちゃん、遅い!!」

「あの後、何も返事が来ないから、帰ろうかと思っていたよ!!」


 私が音羽ちゃんに連絡をし忘れた為、音羽ちゃんは少し怒っていた!


「ごめん、音羽ちゃん!(汗)」

「ちょっと、お姉ちゃんとの話が長引いていたから」


「で、一緒に行けるの…?」


「うん。大丈夫だよ。お姉ちゃんが『良いよ』と行ってくれた!」

「一緒に行けるよ!!」


「なら、行こうか。恵那ちゃん!」


「うん!」


 音羽ちゃんのお誘いで、本屋さんに行く事になった。

 掃除が中途半端になってしまって、残りをお姉ちゃんがしてくれるのは嬉しいけど、途中で掃除を抜け出してしまった事は、少し“もやっ”とした物が残った。


「恵那ちゃん、どうしたの?」

「何か、寂しい顔をしているけど……」


「えっ、そう!?」

「気のせいだよ、気のせい!!」


 私は直ぐに、作り笑顔を音羽ちゃんに見せる。

 思っていた事が顔に出てしまった!


「それで、何の本を買に行くの。音羽ちゃん?」


 私は詮索される前に、音羽ちゃんに話し掛ける。


「今日は漫画の最新刊と後は、雑誌を少し見るくらいかな!」


「そうなんだ…!」


 一緒に行こうと言い出すから、難しい本や相談したい本でも買うのかなと思ったが、そうでは無かったみたい。

 私達は青空の下、本屋さんを目指して歩いて行った。


 ……


 私と音羽ちゃんの2人で、本屋さんに向かっている。

 本屋さんが有る場所は、私が何時も行っているスーパーの先にある。


 話すことも無く成ってきたので、しばらく無言で歩いていると、音羽ちゃんが何かを切り出すように話し出した。


「えっとね、恵那ちゃん…」

「今日、恵那ちゃんを誘った理由は、もう1つ有るの」


 音羽ちゃんは、ふっと言い出す。


「えっ、何?」

「もう1つの理由って!」


 私は突然の事で、少し驚くが……


「実はね、木華このはの事なんだけど……」


「?」

「木華ちゃんが、どうかしたの…?」


「うん…」

「私、木華を何か好きになれないの…!」


「えっ、でも……。最初の頃は仲良しだったじゃない!」


「最初の頃はね…」

「でも、最近は何か、引っかかる物が多いんだよ!!」

「相性が悪いというか……」


「……」


 私は直ぐに言葉が出なかった。

 私が木華ちゃんと友達になった後、直ぐ音羽ちゃんにも紹介して、音羽ちゃんと木華ちゃんは、友達に成ったとずっと思っていた。


 木華ちゃんと友達になる前は、音羽ちゃんと行動するパターンが多かったけど、友達になった後は、木華ちゃんと行動する時が多くなった。

 それは、私と音羽ちゃんの生活パターンが、少し違う所から来ている。


 私の生活パターンに音羽ちゃんは合わせられないし、音羽ちゃんはクラスの人気者で有る。女子や男子からの受けも良い。

 どちらかと言えば木華ちゃんが、私のパターンに合わせてくれている。

 実際、学校の帰りは、木華ちゃんと一緒に帰る日が多い。


 何かして遊ぶ時も、3人で行動しているし、音羽ちゃんが木華ちゃんを嫌いになる原因が見つからない……

 本屋さんまで後、5分位の所だけど、私は立ち止まって、もう少し深く聞いてみる。


「えっとね…。音羽ちゃん、1つ聞いてみても良い?」

「音羽ちゃんは、木華ちゃんのどの部分が嫌い?」


「……全部!」


「!!」


 音羽ちゃんは爆弾発言をする。

 木華ちゃんの事が全部嫌い……

 本当なんだろうか!?

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