第20話 秋を迎える時期

 少しずつ秋が近づく朝…。昨夜はきれいな星空だったため、今朝は少し肌寒い。

 私は何時もの時間に起きて、顔を洗い、朝食を作る。


 ご飯(白米)は、昨夜炊いたご飯を朝食で食べるので、今朝は味噌汁を作るぐらいだ。

 偶に卵料理を作ったり、干物を焼く日も有るけど、基本はご飯・味噌汁・漬け物・納豆が、今の私が作る朝食メニューである。


 私が起きてから、大体30分位でお姉ちゃんが起きてくる。

 お姉ちゃんは大学生であり、子ども関連の学部に入っている。

 そんなことを考えていると、お姉ちゃんが台所にやってくる。


「恵那。おはよう!」


「あっ、お姉ちゃん。おはよう!!」


「恵那。今朝は少し寒いね」


「うん。寒いね!」

「もう、そろそろ、秋物準備しなくちゃね!」


 お鍋に味噌を溶かしながら、私はお姉ちゃんに答える。


「恵那は相変わらず、しっかりしているね。本当に私の妹かしら?」


「ちゃんと、お姉ちゃんの妹だよ!」

「もう、ご飯出来るから、お茶碗とお椀お願いね!!」

「あっ、でも、その前にテーブル拭いてね!!」


「分かったわ。恵那」

「……やれやれ、ちゃっかりしてるわ。この妹は!!」


 さり気なく手伝わした事に、お姉ちゃんは気付いたみたい。

 お姉ちゃんは“にやっ”と表情を浮かべて、水に濡らした布巾を持ってテーブルの方に向かった。

 お姉ちゃんにテーブルの準備を任せている間に、味噌汁を仕上げて、冷蔵庫から漬け物、納豆を取り出して、朝食の準備を進めていく。


 ……


『いただきま~す』


 お姉ちゃんとの朝食が始まる。

 今朝の味噌汁の具は、キャベツと油揚げ。

 最初に私は、味噌汁を口に含む。うん、おいしい!

 私と同じ様に、味噌汁を飲んでいるお姉ちゃんに味を聞いてみる。


「どう、お姉ちゃん。今日の味は?」


「ふぅ~、今日も美味しいよ。恵那!」


 お姉ちゃんは、優しい笑顔で話してくれる。

 私が朝食を作り始めた頃は…、味噌を入れすぎたり、出汁が入って無かったりして、失敗ばかりだったから、味を聞くのが習慣に成ってしまった。


「良かった。今日も美味しく出来て!」


「……恵那は本当に料理上手だよ」

「たった数ヶ月で、此処まで成長して、美味しい料理作るから!」


「そんなこと無いよ。別に普通だよ。お姉ちゃん~///」


 私は少し照れながら喋る。

 そんなやり取りをしながら、朝食の時間は過ぎていく……


 ……


 朝食の後片付けは、お姉ちゃんがしてくれるので、私は学校に行く準備をする。

 準備が終わって時間が来るまでの間、私はリビングで寛ぐ。


 そしてお姉ちゃんも、リビングで新聞を読んでいる。

 まだ時間が有るので、私は新聞に折り込まれている、近所スーパーのチラシを見て、今夜の献立を考える。


「お姉ちゃん!」

「今日の夕飯。何かリクエスト有る?」


 簡単にメニューが思い付かないので、新聞を読んでいるお姉ちゃんに聞いてみる。


「今日の夕飯…?」

「ん~~、もうすぐ秋だし、秋らしい物が良いかもね!」


 お姉ちゃんはそう言う。

 秋らしい物か……


「なら、お姉ちゃん。秋刀魚さんまとか?」


「秋刀魚かぁ~。秋刀魚も良いけど……ちょっと別のが良いね~」


 お姉ちゃんは秋刀魚にケチをつける。

 仕方ないので、別の秋らしいのを探すためチラシと“にらめっこ”する。

 そうすると“食欲の秋特集”と、強調されているコーナーを見つける!

 これなら、秋らしい食べ物が直ぐに見つかる!!


「お姉ちゃん、栗ご飯はどう?」

「むき栗が売っているみたい!!」


「栗ご飯。良いんじゃない!」

「秋らしくて。うん、栗ご飯にしようよ!!」


「なら、今晩は栗ご飯で決定だね!」


「楽しみにしてるよ。恵那!」


 栗ご飯で嬉し顔のお姉ちゃん。

 むき栗を使うから手間はあまり掛からない。


 メインの晩ご飯も決まり、そろそろ学校に行く時間だ。

 私は『今日も楽しい1日に成りますように!』と想いながら、ランドセルを背負った。

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