第19話 何時もの日常

 夏休みも終わり……2学期が始まる。

 まだまだ、昼間は汗をたくさんかくけど、夜はクーラーを付けない日も、少しずつ多くなってきた。


 お姉ちゃんは夏休みの旅行以来、家事の手伝いを積極的に手伝ってくれるようになった。

 時間に追われていた、今までの生活が嘘見たいに余裕が出来て、音羽ちゃん達と遊べる時間も以前のように戻ってきた。


 ☆


 朝食後……


 お姉ちゃんは朝ご飯を食べた後は、必ずコーヒーを飲みながら朝刊を読む。


「最近、良いニュースより悪いニュースばっかりだね」

「こんなのばかりだと、私も気が滅入るわ!」


 お姉ちゃんは、朝刊を読みながら呟く。


「外国の大きな会社が潰れたんだよね…」


「そう!」

「良く新聞読んでいるね、恵那!!」

「それが発端で、世界の経済が悪く成ってきているのよ」


「お姉ちゃん!!」

「確か……経済が悪く成ると、色んな会社が潰れちゃうんだよね!!」


「ん~~、簡単に言うとそうなるわね」


「お姉ちゃん。そうなると、変な人もたくさん出て来るんだよね?」


「ん~~~、どうなんだろうね…?」

「ふふ…。恵那は時々、おもしろいこと言うね!」


「そうかな~~。普通の考えだよ!」

「えへっ!!」


 私は笑いながら答える。

 お姉ちゃんとの、楽しいと感じる会話も倍近く増えた。


「恵那、そろそろ時間だよ!」


 お姉ちゃんは、壁時計に指を差しながら私に言ってくる。


「あっ、うん。時間だ!!」


 私は椅子の横に置いておいた、ランドセルを背負い、学校に向かう準備をする。


「じゃあ、お姉ちゃん。学校行ってくるね!」


「行ってらっしゃい、恵那。車に気をつけるのよ!!」


「うん。行ってきま~す!!」


 旅行前までは、私が朝ご飯の後片付けをしていたが、旅行後は手伝ってくれる様になり、お姉ちゃんが片付ける様になった。

 おかげで朝の時間帯でも、のんびりと過ごせる様になった!

 私は玄関の扉を開けると、お向かいに住んでいる音羽ちゃんが、門の所で待っていてくれる。


「おはよう、恵那ちゃん!」


「おはよう、音羽ちゃん!!」


「恵那ちゃん、今日の体育さぁ~~、―――」


 音羽ちゃんと今日の授業の話とか、日常会話を話しながら学校に向かう。

 いつも通りの日常……


 今日も学校が終わったら、家に帰ってから買い物、掃除、……。何故か、最初の頃よりも楽しく感じる!!


(買い物帰りに、公園でも寄ってみようかな?)

(公園で遊ぶ、元気な子ども達の顔が見たいし!!)


「恵那ちゃん。最近元気になって来たね!!」


 音羽ちゃんは、私の顔を見ながら言う。

 私の思っていた事が、顔に出ていたのかな?


「そう?」


「うん。すごく元気だよ、恵那ちゃん!!」

「恵那ちゃんの両親が海外赴任する前と、同じ位の元気だよ!!」


「ありがと~~! 音羽ちゃん~~!!」


 私は元気一杯の笑顔で、音羽ちゃんに答える。

 私とお姉ちゃんとの生活。これからも元気で楽しみたいです!!

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