第16話 旅行2日目!

 旅館では温泉に入って、豪華で美味しい夕食を食べて、それからまた温泉に入って、たっぷりの湯に浸かります。

 私はまだ、小学生だけど、何だかこの良さが判る気がする!

 心はもう、おばさんなのかな//////


 温泉の広い湯船は泳げるし(お姉ちゃんに怒られた…)凄く気持ち良い!!

 温泉に入った後は、お姉ちゃんと寝るまでお喋りをして、楽しい夜を過ごします。


 昼過ぎから降り出した雨は、まだ降っていますが、明日の朝には止むみたいです。出来れば晴れて欲しいけど……


 ☆


 旅行2日目……


 旅館の会計を済ませ、2日目の始まり!


「恵那!」

「昨日の夕食、美味しかったね!!」


 お姉ちゃんは車に乗り込むと、早速話し掛けてきた。


「うん!!」

「車エビの活き作りなんて、私初めて食べた♪」


「エビの身が“ぷりぷり”していて、それが甘くて美味しくて……その後の、エビの頭部の素揚げも美味しかったね!!」


 お姉ちゃんは、はしゃぎながら言っている。

 お姉ちゃんも、心底旅行を楽しんでいる。


「お姉ちゃん…」

「その素揚げで、生ビールをお代わりしていたもんね……」


「恵那!」

「しょうがないじゃん! 美味しいのだから///」


「でも……旅館の代金、結構したね…」


「恵那は、そんなの気にしない!」

「折角の旅行なんだから。今日も楽しみましょう。恵那!!」


「うん…」


 ……


 昨日は動物園と美術館だったけど、今日、今から向かう場所は島!!

 徳○港まで車で行って、その後は船に乗るらしい。

 私としては、有名なカルスト台地に興味が有ったけど、お姉ちゃんが社会勉強の日と言って、お姉ちゃん権限で島に決めた。

 その島には、社会勉強の元が有るらしい……


 ☆


 徳○港……


「やっと着いた……」


 やや疲れ顔のお姉ちゃん。

 それは何故か?


「お姉ちゃん。結構、道に迷っていたね…」


「案内標識が少ないのよ!」

「これなら最初から、徳○駅を目指せば良かった!!」


 道路地図派のお姉ちゃんはナビが無い。

 大体の場所を道路地図で探し当てて行く。

『徳○港』の案内標識に従って行ったのだが『新○陽』付近で迷ってしまった!!


 場所は事前に調べていたらしいが、徳○駅の裏側に港が在る事は、見落としていたと言っていた。


「予定では旅館から、30分で着く筈なのに、1時間も掛かってしまった…」


「こういう時も有るよ、お姉ちゃん!」


 お姉ちゃんを元気づけるため、私は話し掛ける。


「ありがと、恵那」

「じゃあ、切符を買いに行きましょうか!」


「うん!」


 島までの往復切符を買って、待合室で待つ私達。島に向かう船は、1~2時間に1本しか出ていない。

 雨は止んでいるが、まだ所々に黒い雨雲が残っている…。今度の船が来るまで、まだ30分以上も時間が有る。

 お姉ちゃんは缶コーヒー。私はジュースを飲んで、島に向かう船を待っていた。


「のどかだね~~」


 お姉ちゃんは、いきなりそう呟く!

 其処から見える海景色は、波は穏やかで有り、鳥の鳴き声も時々聞こえてくる。


 私達が今居る場所は、人気が少ない待合室。

 同じ港から出ている、長距離フェリーの待合室で時間待ちをしているが、長距離フェリーの時間帯が違う所為か、売店に居るおばちゃんも暇そうにしていた。


「たまには良いかもね……」


 凄く“おばさん”くさい言葉を喋っているお姉ちゃん。疲れているのかな…?


「お姉ちゃん。何か…悩み事でも有るの?」


 私は思わず聞いてみる。


「恵那。違う、違う!」

「それだけ、暇なだけ!!」


「ふ~ん」


「そっ、それより恵那…。そろそろ船が来るよ。行こうか!」


「えっ!?」

「分かった……」


 何か、慌てているお姉ちゃん。

 私に言えない程の、悩みでも抱えているの?


 ……


 船に搭乗した私達。

 船はエンジン音を唸らせながら、徳○港から離れて行く……

 お姉ちゃんにも悩みが有る見たいだけど、実は私にも悩みが有る。

 私の悩み……。私はそれを、ちょっと思い出して見ようと思った。

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