第15話 市営動物園

 市営動物園……


 まだ、夏休みだけ有って、家族連れが結構いる。

 私とお姉ちゃんは、園内を歩いて動物さん達を見ていく。


「ほら恵那、ペンギンさんだよ!」


「わぁ~、ペンギンだ~~!」


 夏なのに、ペンギンは元気良く外にいる。暑くないのかな…?


「ねえ、お姉ちゃん!」

「ペンギンって…、寒い所に住んで居るのでは無いの?」


 横で一緒に見ている、お姉ちゃんに私は聞いて見る。


「う~ん、それはね……種類に依るんじゃ無いのかな?」

「私には良く分からないや!」


「ふ~ん…」


(種類かぁ……。帰ったら、Webで調べてみよ!)


 私達はペンギンを見た後は、アザラシ、ワラビー等、色々な動物さんを見て回る。

 そして……この動物園名物。熊さん登場だ!!

 二頭の熊が、檻の中を“のしのし”と歩いている!



「む~~、これが名物の熊か!」

「けど、普通の熊だよね……」


 何故か、お姉ちゃんは唸りながら熊を見ていた?

 私は、お姉ちゃんは聞いて見る。


「うん、熊だね!」


「お姉ちゃん?」

「何か、変な所でも有るの?」


「いや、別に何でもない…。ちょっとね……」


 歯切れ悪そうに言うお姉ちゃん。

 熊は檻内に吊るして有るタイヤで遊んだり、柵を掴んで“ガチャガチャ”と音を立てている。


(やっぱり熊は、熊だ!!)

(柵が無かったら、人を襲うんだろうな……私はそう感じてしまった!)

(トラやライオンも、檻が無ければ必ず人を襲うだろう……)


 ☆


 一通り、動物さん達を見終わって、園内に有る休憩所で休憩をする。

 休憩所に有る時計は、午前12時20分を差している。もうお昼の時間だ!


「お姉ちゃん。お昼はどうする?」


「そうだね、恵那」

「何か、食べたい物はある?」


「私?」

「別に無いなぁ~~」


 私は素直に言う。

 物珍しい食べ物が有る訳では無いし今、特に食べたい物は無かった。


「じゃあさ、恵那!」

「あそこでお弁当売っているから、お昼はお弁当にしない?」


 お姉ちゃんはそう言う。

 お弁当屋さんが、この休憩所にお弁当を売りに来ていた。


「うん、それで良いよ!」


「じゃあ、恵那。ちょっと買ってくるね!」


 ……


 お弁当屋さんで幕の内弁当を買って、それを食べ終わった後、私達は動物園の隣に在る美術館に入った。

 お姉ちゃんも、そんな趣味が有ったんだ!?


 展示して有る、絵画を一緒に見て回ったけど、私には絵の良さが分からなかった?

 お姉ちゃんも繁々とは見ていたけど……只それだけだった。

 お姉ちゃん……時間の都合で入ったのかな?


 美術館を出る頃には、雨が降り出していた。

 ラジオの天気予報では、朝から雨と言っていた割には、良く持った方だ。


「お姉ちゃん、雨降ってきたね…」


「どうしようね。まだ宿に入るのは、ちょっと早いし……」


 今の時刻は、丁度午後3時。

 宿のチェックイン予定は午後4時だけど、ここから宿までは、30分位で着くらしい。


「雨降っているけど、折角だし、ちょっとウィンドウショッピングでもしようか?」


「うん。そうだね!」


 ……


 お姉ちゃんと傘を差しながら、適当に市街地を歩いて、ウィンドウショッピングを楽しんでから、私達は今日の宿泊先に向かう。


 今日泊まる所は、温泉が有る旅館!

私が外の温泉に入るのは、これで3回目だけど、広いお風呂は何時ものお風呂と違って楽しい!!


 これから、旅館に泊まって、豪華な夕食を食べて……、まだまだ、楽しみがたくさんです!!

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