第13話 夏休みも後半……

 夏休み……


 夏休みに入っても私には、毎日お家のお仕事が待っている。そんなに大変では無くなったけど……

 世間で言うお盆休みも終わり、夏休みも後半に入っている。


 夏の暑い日差しの午後…。今日は私の家で、音羽ちゃんと木華このはちゃんの3人で夏休みの宿題をしている。


「ねぇ、ねぇ……恵那ちゃんは夏休み、どこかに出かけた?」


 木華ちゃんが私に聞いてくる。


「私……?」

「う~ん……近所のスーパーには毎日行ってるよ!」

「スーパーの中は、エアコンが効いて涼しいしね!」


「……」


 木華ちゃんは無言に成って、その場の空気が冷え込んでいくのに私は気付く。

 私は放った言葉は……余程寒かったようだ!


「そうなんだ……電気代も高いしね…。えっと、音羽ちゃんは…?」


 木華ちゃんは音羽ちゃんに話を振る。私の話は一蹴いっしゅうされた見たいだ。


「…私は、海に行ったよ」

「福井県に在る、水晶浜っていう海岸で泳いできた!」

「海は青かったけど、人も多かった!!」


「やっぱり、海は人がたくさんなんだ~~」


 木華ちゃんは音羽ちゃんと楽しく喋っている。


「木華ちゃんは、どこに行ってきたの?」


 木華ちゃんに話を振る音羽ちゃん。


「私は、三方五湖に行ってきた~~」

「お天気良くて、凄く暑かったけど、景色が一望出来て凄く良かった~~」


「へぇ~~、そんなに景色良いんだ…」


「うん!」

「本当に五つも湖が有って―――」


「……」


 音羽ちゃんと木華ちゃんの2人で話は盛り上がっている。

 なんか……仲間外れにされたみたい。好きでスーパー行っている訳でないのに! 

 話が一段落した後は再び宿題に戻ったけど、私は宿題に気持ちが入らなかった。


 ……


 その日の夜……

 私は昼間の出来事をお姉ちゃんに話す。


「それでね、音羽ちゃんは福井県の海水浴」

「木華ちゃんは、三方五湖に行ってきたの!」


「ふ~ん。2人とも福井県に行ってきたんだ…」

「あの県は、見所も有るしね!」


 お姉ちゃんは興味なさそうに答える。


「そうじゃなくて!!」


「……?」


 お姉ちゃんは『何がおかしい?』の表情をしている。

 もうこうなったら、はっきり言おう。


「お姉ちゃん。私もどこか行きたい!」


「どこかねえ~~」


 如何にも面倒くさい顔しているお姉ちゃん。


「せっかくの夏休み…。毎日、毎日、お家のお仕事じゃ、家事の思い出しか残らないよ!」


「恵那…」

「私もアルバイトが有るし……そう、言われても直ぐには…」


「直ぐじゃなくても良い!」

「私も、思い出が欲しい!!」


 すると、お姉ちゃんは諦めた表情をして、ため息をつく。


「……ふぅ~」

「恵那。夏休みの終わりの方でも構わない?」


「お姉ちゃん!」

「いいの!」


「まぁ……アルバイトのシフトも何とか融通聞くと思うし、姉妹で旅行するのも初めてだから、案外楽しそうかも☆」


「いやった~~~」


 喜ぶ私と、“やれやれ”の表情をするお姉ちゃん。

 私にも、夏休みの思い出が出来そうです!!

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