05.11.宣言
「何しに来た、
「ご挨拶に」
「挨拶だと? うくっ、
スライドドアが開き、
「
「そ、そうですか……」
「
それは兎も角、降りてきたのは
「
「……」
だが、
「
「
「「「……」」」
許しを乞うわけでもなく只そう宣言する
「
漸く言葉を口にしたのは
「私は
セフレがどういう関係なのかは知っているつもりだった。
「皆んな嫁だ。あたいも驚いたんだけどさ、
「自分でいうのはいいが、他人にそう呼ばれると腹立たしいものだな。私はまだ29だ」
「ああ、うん、29歳の
母としてはそれは凄い事とは思えないのだが、自慢気に話す娘に育て方を間違ってしまったのかと落胆した表情になってしまう。そして、何より驚いたのがその人数だ。一週間前に来たときは四人だと言っていたはず、この短期間で二人も増えているのだ。
「六人も……。まだ学生なのに六人も養っていけるんですか? ねえ、
「母さん、
「でも
「
「……」
「今のダーリンの月収は200万だ。世帯年収の平均が550万だと考えれば4世帯分の収入が有ることになるな。それに、世帯収入という言い方がされているように今どき夫が家族を養うという考え方は古い。私や
「何の仕事か知りませんが、そんなのがいつまで続くかわからないじゃないですか。何か怪しげな仕事なんじゃないですか?」
「普通のソフトウェア開発だ。私の会社から発注している。こう見えても部長職を任されていてな、会社が存続している間はダーリンの収入は保証されたようなものだ」
「
金銭面の不安を
「でも……、
「母さん、もういいだろう。私達が思っていたよりまとも人間なのかもしれない」
尚も食い下がろうとする母を父が諫めた。
「その痣は
「そうだぜ、親父。態と防具のないところ狙いやがって。それでも
憎らしげに
「馬乗りになって
「本当か、
「……はい。ついカッとなってしまい」
「そうか……。愚息が申し訳ないことをしてしまった」
深々と頭を下げる父。
「だが……、だからといって認めてやるわけにはいかないがね」
「何でだよっ! こいつの嫌がらせに耐えたんだよ、あたいの為に頑張ってくれたんだよ、幸せにしてくれないわけねえだろう!」
「
「でもよっ、
「それに、昨日も話したじゃない。許可を貰うつもりはないって。だから、聞いてさえもらえればいいんだよ、
「……そうだったな。二人で宣言するんだった。あたいは
「意志は固いか……」
「当たり前だ。今度ばかりは親父の言いなりにはならねえからな」
「そこまでの覚悟があるなら好きにしてみるとよい。だが、認めたわけではないからな」
「ああ、親父の意志なんて関係ないんだよ」
「認めたわけではないが……、盆と正月ぐらいは顔を見せに帰ってきなさい。
「親父……」
「勘違いするな。確認したいだけだ、
「
「勿論だ。少しでも
「私は反対です。幸せになんてなれるはずありません。
「あたいは
「その前に卒業」
忘れてないだろうなと、
「わかってるって。産むのは卒業してからだ」
「卒業……、じゃあ短大に戻るのね? それまではこっちに居るのよね?」
その間に気が変わるのでは、そんな期待から表情が和らぐ母。
「卒業するのは大学だ、
だが、そんな思いを打ち砕くように
「大学って、
「お金の心配もいらない」
誰も心配していなさそうではあるが、
「お金の問題ではありません!
「無理じゃありません、僕が合格させてみせます。僕だけじゃなくて
「そうか……、頑張りなさい」
「ああ、期待してろよな、二、三人は産んでやるからよ!」
そっちの頑張りではないと思うのだが、事実上の許可を得られ、堂々と
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