04.+JK
04.01.酔っぱらい
ある日の夕方、
元々案件紹介サイトで仕事を探していたのだが、この会社の担当が
「仕事が早くて品質も文句なし。感謝してるぞ、
「ありがとうございます」
「こうして態々来てもらったのは大きめの案件が立ち上がりそうだからなんだが……」
部下がいるというのに
「その話は呑みながらってことで、大丈夫なんだろ? この後」
「お酒が飲める歳ではないですけど」
「気にもしてないだろう」
確かにそうだけど……
「ああ、イベントに出展しているからな、みんな出払ってるんだ。オバサンと二人だけだが結婚してるから気にしなくていい。襲ったりはしないから」
「オバサンだなんてそんな」
美人だし……
「29のオバサンだ? で、どうなんだ? 行くのか? 行かないのか?」
「ご一緒させていただきます」
家訓第四条に抵触しないならいいかな
「宜しい!」
こうして
「あ゛? もう帰るだと? もう一軒ぐらいいいだろう、付き合ってくれるよな」
半ば強引に高そうな寿司屋に引っ張っていかれる
「カードだと旦那に見つかりかねないからな。じゃあ次、行くぞ」
この日は金曜日ということもあり、これで
「でも……」
「もう一軒。もう一軒だけだ。いいだろ?」
旦那さんに浮気されたんじゃ仕方ないか……
「もう一軒だけですよ」
「よし、じゃあ行くぞ!」
これも仕事の為と割り切り、更にもう一軒行くことに。
「私とはしない癖によ、何で若い女とは寝てるんだよ」
しかし、結局仕事の話とはならず、
「そうだ、
「ダメですよ。
「いつの時代の人間だ?」
「じゃあ、淫行条例?」
「19歳だろ?」
「準強制性交罪?」
「心神喪失してるようには見えないし、抵抗しようと思えばできるだろう」
「じゃあ、強制性交罪」
「暴行も脅迫もしてないんだが?」
「とにかく、良くないですよ、そういうの」
酔ってるくせに頭がまわるんだな……
面倒臭い事にならないわけないから関わりたくないんだけど……
「何でだ! 旦那は良くて私はダメなのか?」
「それは確かにおかしな話しですが……」
「わかった。やっぱり私がオバサンだからだな」
「こんな綺麗な人にそんなこと思うわけ無いじゃないですか」
「綺麗って……、本当か?」
「本当ですよ」
「だったら、私の裸、見たいか?」
目が座ってるんだけど……
どうしたらいいんだろ……
「なあ、見たいのか? 見たくないのか?」
「もちろん見たいですって」
僕も大分酔がまわってきてるな……
見るだけなら第四条には抵触しないし
「よしっ。見せてやろう」
「え〜、そこは “本気にするな、この童貞野郎” って言うところなんじゃ」
でも裸なんか見せられたらそのままずるずると……
「童貞なのか?」
「違いますけど」
「だろうな。女の子が放っておかないだろうなって事で、私も放ってはおけないのだ」
などと言いながら
「どこ見てるんですか」
「この子はしたいって言ってるみたいなんだが? ホテルに連れてって〜って声が聞こえるぞ」
「言ってませんよ」
「なに? もっと大きくなるのか♪ 次の大型案件、
ここで漸く仕事の話が出たのだが、
「脅迫ですよね、それ」
「何を言う、提案だ」
「……」
「では、もっと静な所で詳細を詰めるとしよう」
どうしよう……
次の案件は欲しいけど……
頭がくらくらする……
「今日は帰りたくないな〜。あんな浮気男の居る家になんて。やだな〜」
「そっちが本心なんじゃないですか」
「当たり前だ。浮気されたんだぞ、私は。しかも、私達の寝室で。酷いと思わないか?」
「酷いとは思いますけど」
「だったら今夜は付き合ってくれてもいいだろう。ちゃんと仕事の話しもする」
こんなに酔っ払ってて仕事の話しなんて出来るんだろうか……
「そうだ、いい所がある。とりあえず、ここを出るぞ」
「ホテルじゃないですよね?」
「違う」
半ば無理やりタクシーに押し込まれ、
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