03.12.団欒
「そういえば、
「は?」
実家での最後の夜、母の口からとんでもない言葉が飛び出しだ。
「
「向こうはその気が無いみたいだし、自力で頑張ればいいんじゃないのかなぁ」
正直、あの女には関わりたくない
「それに僕には……」
「勿論家庭教師以上のことは望まなわわよ、可愛いお嫁さんたちもいることだしね。
知ったことか
「今回は?」
「あら、
「それって……、
「置き去りって………、どういう事なの?
「……」
もう終わったことだし、今更穿り返さなくても……
「
しつこいな、母さん……
「黙ってるなら
「してないって。喫茶店でもって向かった先が人気のない山道でそのまま置き去りにされただけだよ。母さんたちの企みが気に食わなかったみたいだよ。それを僕が頼んだことだと思ってたみたいだけどね。つまり、母さんたちが変な事を企んだばっかりに酷い目に遭いそうになったってだけ」
「本当なんでしょうね」
「息子を信じようよ」
「じゃあ何で言わなかったのよ!」
「これ以上関わり合いたくないからだよ。母さんたち仲いいみたいだし、揉め事にしたくないだろ? それに、偶々通りかかった
話がややこしくなるから
「あたいは
「誰なの?
「ちゃんとしたよ。母さんは心配しなくていいから」
「しっかり体で払った」
「体で? そう……、よくわからないけどお礼をしてるならいいわ」
「兎に角、その件はもう終わったことだから。今更蒸し返さないでよね。家庭教師、受ける気ないから」
「
「えっ、そうですか♪ 元気な赤ちゃん産んでみせますよ!」
調子に乗って出産宣言する
「期待しちゃうわよ!」
どうやら母は
「私も! 私も卒業したら
「まあ、
「
「楽しみだわ! いったい何人孫ができるのかしら♪ 楽しみですね、お母さん。ひ孫ですよ、ひ孫♪」
皆んな何宣言しちゃってるんだよ……
母さんもいいのかよ、それで……
「家庭教師といえば
「
そんな余計な情報に反応する
「婆ちゃん同士が仲がいいってだけで僕はそのお孫さんとは面識ないし、勉強みてあげるつもりもないから」
「
「第五条はどうなったんだよ
「この際細かいことは気にしていられない。兎に角これで五人」
第五条、嫁を追加するには厳正な審査が必要であり、容姿、性格、性癖を考慮して
「いやいや、気にしてよ。そもそもこれ以上増やす気なんてないから」
「増やすって……、お兄ちゃん、サイテー」
8歳離れた
「あっ、やっと喋ってくれましたね。宜しくお願いしますね、
「ふん」
「こら、
人見知りなのはしかたないとして
その態度はだめだろう
「お兄ちゃんなんて大嫌い!」
「嫌われてしまいましたかね……」
「気にしない。小姑はそういうもの」
どこから来るのか、いや、その巨乳故の優越感なのだろうが、
「ごめんなさいね、反抗期みたいで色々と難しいのよ。気にしないで」
親父もそんなこと言ってたな
夏休みあたりから色々面倒臭くなったって
「反抗期かー、あたいもあのぐらいからだったかなー。とくかく親父が鬱陶しくてさー、まあ、今は死んでほしいぐらい邪魔な存在なんだけどさ」
清楚に見えた
反抗期拗らせてこんな感じになっちゃったんだろうか……
「そういえば、
「いや、そのー、また今度というか……」
墓穴掘ったな、
「その時は
こっちにも飛び火した
でも、実際どんな顔して挨拶しにいくんだろうか……
お嬢さんを僕に下さい。嫁の一人としてですけど、などと言えるのだろうか……
「で? その
「それは……」
「今度連れてくる。その時のお楽しみ」
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