03.02.嵐に負けず
台風の接近に伴い、朝から小雨がぱらついていたとある田舎にある短大のキャンパス。
地元の短大に通っていた
「そういえば、
「別に気にしてなんて……」
あたいには関係ないし……
『私の
あたいも言ってみたかったな……
「セフレになったみたいよ、
「はあ? セフレ? 付き合ってるんじゃなくてセフレなのか?」
「うん、
「アドバイスってなんだ、何でそんな変なアドバイスしてんだよ、
「気になる女の子に告白出来ずにいたから
「自信って何で
なんだよ、大きな事で言えない事なのか?
「(ど・う・て・い♪
「ど、どう――」
「しーーーっ、声が大きいよ
「ああ、そうだな……」
童貞だったのかよ、
言ってくれればあたいが相手してやったのに……
「で〜、誰だと思う? その女の子。
「なんだよ、そっちも知ってる奴なのかよ……。どうでもいいや、そんなこと」
そうだよな……
あたいのことなんて……
「うふっ、
「はあ? そんなわけ……」
「何で?」
「何でって……」
嘘だろ……
「人気あったんだよ、
「余計なお世話だ。色々あったんだよ」
「
何だよそれ……
だったら尚更しーちゃんの所為だろ、
あんとき告っとけば
どうしてくれるんだよ、しーちゃん!
「初恋だったのかもよ? なのにこんな姿になっちゃって……。びっくりしただろうね、
だから色々あったんだよ
糞親父と、
馬鹿兄貴と、
しーちゃんの所為だよ……
じゃなきゃ
初恋か……
あー、もう、
「聞いてるの?
でもしーちゃんの話が本当なら……
今からでも遅くないんだよな……
あたいから告ってやったら……
「ねえ、
「あたい、行ってくる!」
バンとテーブルを叩き、立ち上がる
「行くってまさか、
急がないと
この町の中心から新宿へは一時間に一本のペースで高速バスが出ている。
間に合った!
出発直前のバスに乗り込むと、ほっと胸をなでおろし、早速
ダメだ……、返事がない……
電話にも出てくれない……
「そうだっ」
「
『まあ、
会いたいというだけで簡単に教えてしまうのはどうかと思うが、こうして
新宿への到着は大幅に遅れ、都内の交通機関の乱れからかなりの距離を歩くことになってしまったのだが、何とか
ここに
傘などなんの役にも立たず、ずぶ濡れの姿でインターホンを鳴らしたのだった。
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