01.08.卒業
路上教習から戻りロビーへと戻る直前、
「(これからは、
「(
「(まあそれでいいわ、あとでね♪)」
嬉しそうに頷く
「
「
「いやー、あたいはちょっと気になることがあってな……、でも、もう終わったから帰るところだ」
「じゃあね、
やっばい、
慌てて “くん” って付けたんだけど気付いちゃったかな……
でもごめん、今夜だけは私に貸してね、
自信を付けさせて貴女の元に送り出してあげるから
「そだ、飯でも行かねえか? 二人きり……だけど……」
「ごめん、この後卒業の手続きとかあるから」
「待っててやるよ。直ぐに終わるだろ、そんなの。そうだな……、8時半でどうだ?」
「その後も予定あるんだよね……」
僕は今日卒業するんだ♪
などと思っていても口には出せない。口には出せないが、表情には表れてしまっている事は本人も気付いていないようだが。
「そうか……、じゃあ……、また今度な。
「ふーん、そういうことか。
本当に来てくれるのかな、
一人で待っているとそんな不安も込み上げてくる。
コンドーム持ってない……
そんな余計な心配も。そんなものはホテルが用意してくれている。
ふあ〜、もうすぐ
最終的に
「お待たせ、
そこに、車で現れた
「
「原付かぁ、ここに置いてっても平気?」
「はいっ!」
「じゃあ、乗って」
腰が引けた不自然な歩き方で助手席へと回り、シートベルをを締める。
「もう、こんなにしちゃって♪」
やだ、思ってたより凄いかも……
と、
「あの……、
「なあに?」
「何処に向かってるんですか?」
「すごーく素敵な所よ」
「まさかとは思いますけど……」
外で?
いきなりそんなのって……
心配はどんどん増していき、期待とは裏腹に緊張からか手足が震え始める。そんな
う〜、可愛い〜
という捉え方ではあるのだが。
「心配しなくても大丈夫よ。外じゃないから。だいたいから、そんなことしたら虫に刺されて大変よ?」
「そ、そうですよね」
「こっちにちょっと気に入ってるホテルがあるの。まあ、見た目は今ひとつなんだけど目立たない場所にあるから入りやすいしね。流石にあのホテル街だとちょっと入りづらいかな。ほら、見えてきたわよ」
木々に埋もれるようにひっそりと佇む洋館。ネオンどころか看板すらなく、一見すると廃屋にもみえるその建物は幽霊屋敷といっても過言ではないほどの雰囲気を醸し出していた。
「あれ……ですか?」
「大丈夫よ、中は綺麗だから」
そういって何も気にした様子もなく車を進める
車を降りると、ドアの脇にある端末を操作し始める
「僕だしま――」
「いいのよ。ここは私に任せて。
端末で決済していることに気付いた
「怖い?」
「そういうわけじゃ……」
震えが止まらない
「あっ……」
「ねえ、本当にいいの? 私で」」
◆◆◆◆◆ ❤♂♀❤ ◆◆◆◆◆
事を終え、ベッドに横たわる二人。
「卒業おめでとう、
「あ、ありがとうございます。今日の事は一生忘れません」
「そう言ってもらえて私も嬉しいわ。私も
「
「でも次はもう少し頑張れる?」
◆◆◆◆◆ ❤♂♀❤ ◆◆◆◆◆
幾度と無く肌を重ね、そろそろ朝日も登ろうかという時刻となっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、上出来かな。これで安心して送り出せるわね」
「送り出す?」
「
「えっ、何でそんな事に……、そんなつもりないですから、僕」
あれ? 聞いてた話と違うんだけど?
まさか……、
「
「いえ、違うのよっ」
……なんて言えないし
「
うん、嘘じゃない
「ただぁ……、
うー、苦しいー
「僕は
「う、うん。私も
「
「そ、そうなんだ。じゃあ、今夜もまた……」
「……」
「
気まずい雰囲気のままホテルを出ると、会話もないまま待ち合わせた交差点へと向かう二人だった。
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