01.05.揺らぐ思い
いつものように一人ロビーの入り口に佇む
担当教官を待っているわけでもなく、朝からずっとそこに立ち尽くしている。
昨日
やっぱりこっちを見てくれない……
声なんか掛けても無視されて……
皆んなの笑いものに……
これで本日三回目。
そもそも僕は
美人で、
胸が大きくて、
綺麗な足、くびれた腰……
って、エロい目でしか見てないじゃん……
……それだけじゃないって、
女の人とあんなに話したのは初めての事だった
内容はともかく、ドキドキしたけど楽しかったんだ
僕は
結局、
「
「まだ始まってもない」
「はあ? まあいいや、こいつはしーちゃん……って知ってるか」
「はじめまして、
興味のない対象とはこんな風に淡々と話せるのにな……
魅力的な人の前だと緊張して駄目なんだ……
「どうも、はじめまして」
「はじめ……まして?」
はじめましての挨拶を交わす二人に驚きの色を隠せない
今ほどではなかったにせよ
「待った待った、二人は付き合ってたんじゃないのか?」
「言葉を交わすのも今日が初めてなんだけど」
この人だったんだ……
好みじゃないんだけど……
噂が立ってから六年を経て初めて認識した相手の顔。2クラスしかなかったというのに隣のクラスで顔と名前の一致している女子は2、3人のみ。
それどころか同じクラスの女子、いや男子も含めて認識できていない同級生がいたぐらいだ、
「まじかよ」
「あはは、あれは私の勘違いと言うか、人違いというか……、
そういう事だったのか……
納得する
「でも〜、そのまま付き合っちゃえばよかったかも。なんか、すごそうね〜」
ちょっと、何処見てる……
「だろ? しーちゃんもそう思うよな」
だろって……
「そうだ
「まだ今日の教習終わってないから」
「でも、朝からずっと居るわよね、そこに」
「そうなのか?」
「それは……、ちょっと気になることがあって」
「何、何、あたいでよきゃ力になるぜ!」
「他人にどうにかしてもらうような事でもないから」
「他人……か……。そうだな、じゃあ、また今度遊ぼうぜ。教習所、いつまでなんだ?」
結局何があったのか教えてくれなかったし……
でも
何やってんだよ、
駄目なら駄目で諦めさせてくれよ……
そうじゃないなら……
「多分、明日で最後かな」
「明日……、でもまだこっちに居るんだろ?」
「8月一杯は居る予定だけど」
「わかった。また連絡する。頑張れっ!」
「あ、ああ」
何応援してるんだろ……、あたい
そしたら傷心の
むふふ♡ ありかも!
「顔が怖いよ、
「うるさいな。そもそもしーちゃんが名前間違った所為なんだから」
「私? もしかして
「違うから。そういうことじゃないからねっ」
「ふ〜ん」
騒々しく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます