第5話 新たな出会い
傷付きながらも、ソードディアを倒す事が出来た孝史達、目の前には首を切断されたソードディアが横たわっていた
『ぐぅ~、なっ何とか倒せたか』
痛みを堪えながら、絞り出す様に声を出す
【ご主人様!!
私が至らない為に、ご主人様が傷付いてしまいました。申し訳ございません。】
ファムが泣きながら、孝史に駆け寄ってくる
『いっ…いや俺の油断が招いた怪我だから、ファムのせいじゃ無い』
まだソードディアの角が腕に突き刺さったままの腕を抑え、痛みに耐えている孝史
【そんな!ソードディアが襲って来る時に私が説明していれば、ご主人様が傷付く事など無かったのに……
はっ!直ぐに治療しますので、もう少し耐えて下さい。】
ファムの責任では無いと庇ってくれる孝史の言葉に、自分の不甲斐なさに打ちひしがれそうになるが、孝史の怪我を治さなければと、思い留まる
【今から、ソードディアの角を抜きますので、お待ち下さい。
はっ!】
ファムから淡い光がでて、孝史の腕を覆っていき、そのままソードディアの角がゆっくり抜けていった
『ぐっ!!』
角が抜ける時に、何が引っ掛かる様な感触があり、その激痛の為、我慢しながらも、痛みに顔を歪めてしまう
【抜けました!
直ぐに傷を塞ぎますので、もう少し耐えて下さい。
はっ!………えっ!】
孝史の傷を塞ごうと、再度力を使おうとしたが、ファムの身体が淡く光らず傷が塞がらない様子に、ファムは驚きを隠せないでいた
【どうして!力が出せないの!これだとご主人様を治療出来ない!】
本来なら有り得ない事が起き取り乱すファム
『どうなったんだファム?
力が使えな…………ん!?何かが近づいてくる!』
角が抜けた事により冷静さを取り戻した孝史は、狼狽えているファムにどうしたのか聞こうとした時、森の奥から何か近づいてくる気配を感じた
【えっ!こんな時に、また魔物!?
傷付いたご主人様と力が使えない私でどうやって戦えば!?】
力が使えない事にショックを受けて、冷静な判断が出来なくなり取り乱すファム
『クソッ!俺が戦うしかない!
ファムだけでも逃げろ!!』
孝史は戦う覚悟を決め、ファムを庇う様に気配のする方を向き身構える
【私など放っておいて、ご主人様こそ逃げて下さい!!】
庇おうとする孝史に反応する様に、ファムが叫ぶ
「ま……さま」
森の奥から微かに声が聞こえてくる
『声?』
微かに聞こえた声に反応する
【??】
ファムは気付いていない様だ
「まち……さま」
『間違いない、声が聞こえる』
近づいてくる気配と声に、聞き間違いで無かった事を確信した
【本当です。確かに聞こえました!近づいてきますね】
「まちょうさま」
どうやら声の主はファムの事を探している様だ
「魔鳥様」
声の主が姿を現した
【君は?】
姿を現した相手に声を掛ける
「えっ!人間?
何で人間がこんな所に!?」
孝史の姿を見て驚く
『俺は五十嵐孝史、原初の魔鳥に連れられて来た者だ』
相手の反応を見る為に、冷静に挨拶をする
「魔鳥様に連れられて?
あなたの後ろにいるのは魔鳥様!?」
孝史の言葉を聞き返しながら、後ろにファムがいるのを見付け駆け寄る
【水の聖獣あなたですか!】
ファムは自分が知っている者が姿を現して驚く
「良かった!
魔鳥様ご無事……では無さそうですね。」
水の聖獣はファムを見付けて、一瞬喜んだが、その姿をみてすぐに状況を把握した様だ
【そんな事より水の聖獣!
ご主人様の怪我をすぐに治して下さい!!】
水の聖獣に慌てて指示を出す
「えっ!ご主人様??
この人間の事ですか??」
ファムにいきなり指示され驚く
【早く!!治療しなさい!!】
声を荒げ再度指示するファム
「はい只今!」
ほぼ条件反射で返事をし、治癒の力を孝史に篭める
『おぉ!』
ファムと水の聖獣のやり取りをみながら、腕の怪我が癒されていく様子を驚きつつ見つめる孝史
数分後
腕は傷跡すら残らず完治した
続く
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今回もお読み頂きありがとうございます
第5話をお届けしました。
新キャラ、水の聖獣が登場しました。
まだどんなキャラにするか思考中です。
6話のプロットも考えなくては………(汗)
頑張ります(血涙)
※お読み頂いた方へのお願い※
感想お待ちしております。
頑張って参りますので、
応援よろしくお願いします。
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