1話:伝承者1
【 第一章 】
――――――― 1 ―――――――
そいつを初めて見たのは、まだ、肌寒さの残る季節の頃、
馬賊の長、いな、怪しげな
彼は、一見するとディラヴィア族やノルゴフト族、
白い肌に輝くような金髪は正しく北方系人種。だが、緩やかな顔の起伏と耳の形からは東方系のそれを想起させる。毛先は
閉じていれば見えはしないが、口を開けば鋭い牙が見て取れる。無論、あたしのとは違うのだけど。
彼が初めてあたしに語った言葉――
――そう、
身ぐるみ全部置いていけ、確かこうだった
多分、あたしじゃなければそうするし、
それはそう云う【
言葉だけ、じゃない。瞳が、視線が、その意志が、覆す事の出来ない事象を招く――違う。
それが、
でも、させない。しない。するつもりもない。
それどころか、利かない、効けない、聴く耳を持たない。いっそ、聞き捨てならない。
一体全体――何故、彼がその……伝承、を?
忘却の
同じ過ちを?
いつ?
どこで?
――にしても……
暫し、委ねよう、成り行きに。
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