第2話 天川という花
気になっている人がいます。
その人は、中学から一緒で、いつもクラスの中心にいます。
人を扱うのが得意で、将来すごい人になるんだろうなー、と小並なことを考えていました。
頭も良くて、スポーツも得意。足も長くて顔もかっこいい。清潔で謙虚。機知に富んでいて、思いやりのある人だと思います。
でも、私が惹かれたのは別のところ。
彼はたまに一人でいることがあります。
図書室で本を読んでいたり、放課後なんかはずっと空を見ていたりしています。
その時の、寂しそうな顔に惹かれました。一目惚れです。
彼の事情なんて何一つ知りません。ただ、その寂しそうな顔を、私の胸で包み込んであげたいと思いました。
だけれど、彼はこれっぽっちも、私に振り向いてもらえません。むしろ、避けられているまであるかもしれません。好きな人に振り向いてもらえないのは、嫌です。だから今日も、朝から話しかけました。
彼をショッピングに誘おうと思いましたが、「用事があるから」の一点張り。本当に用事があるのかもしれませんが、「この日なら空いてるけど」くらいは言って欲しかったです。
他の男子はよく私を「お出かけ」に誘います。下心が丸見えで、私を誘います。今日も私と彼との会話を遮られました。
他の男子が目障りです。彼も、私のことをそう思っているのかな。そうだとしたらショックです。
私はよく、「裏ではビッチ」だとか「男に媚びる」だとか言われますが、そんなことはありません。彼一筋です。彼も私のことを、ビッチだとか思ってないといいのですが。
彼のことを考えると、お腹の下が熱くなります。時間が経つほど身体が火照り、彼の名前を口にします。いつも身体の敏感な部分を、強く摘んだりして慰めます。彼にされることを想像して。
「彼は経験、あるのかな」
たまにそんなことが頭によぎります。すると、下腹部から脳にかけて急激に冷めていって、涙が出そうになります。
私だけを触って欲しい。激しくして欲しい。
そう思います。
毎晩、彼を思いながら就寝します。
彼が毎晩、夢に出てくればいいのに。
彼は、新島
早く月曜日になれ。そう思いながら、彼を想像する私、天川由良は新島齋くんを愛しています。
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