10話 謎のサモンエッグ

謎のサモンエッグ




き、キツイよ。気合だけではどうにもならないね。しかも、敵は、


「ガッハッハ、どうだ、手も足も出ないでしょ」


集合して巨大化してしまっていた。その腕で、薙ぎ払われて、散り散りに、腕を、6本生やして攻撃してくるから、防衛一辺倒になってしまって、かなりきついよ。


「とりま、お前から殺すか」


あ、ロックオンされた! やばい、怖い怖い怖い! すべて、の攻撃と視線がこっちに向いている! 足がすくんで動けない!


「奈波逃げて!」


「あ、足が! 足がすくんで動けないよ」


光が、僕を救出しようと近づいてくる。けど間に合わない! そ、そうだサモンエッグのどれかで何とかならないかな!


「ど、どれかどれか!」


どうにか一個を取り出せたよ。とりあえず、前に突きだして、絶望した。これ、使い道が分からないやつだ!


「終わったよ……」


思わず目をつぶる。しかし、両手による叩き潰しはまだ飛んでこない。これが死ぬ前に時間が遅くなるって感じるやつかな? 恐る恐る目を開くと、なぜか手が止まっていた。それどころか、見渡すと、皆停止している。どうなっているの?


「もしかして……時間が止まっている? と、とりあえず逃げないと!」


逃げようと、後ろを振り向くと、敵の手に潰されかねない場所に光がいることを知った。

助けに来てくれたんだ! すごく嬉しいな。だから、今度は僕が!

光の手を引いて動かそうとすると、


「奈波ちゃん! ってあれ?]


「うん言いたいことはわかるけど、とりあえず周りを見て」


「え、皆も止まっている~?」


「なんか時間が止まったみたいなんだ」


「ほほーう、ほほーう」


「え、梟~?」


「あれが召喚されたのかな? 今まで反応がなかった、サモンエッグを使ったんだけど……」


「成程ね~。とりあえず、アイツを倒すには、多分木のサモンエッグか、土のサモンエッグかな~? もしかすると金かもね~」


「なら、とりあえず! 木のサモンエッグで!」


木のサモンエッグは生命力を吸収できるからそれで!

木のサモンエッグを掲げる。それに光が手を添えて、


「サモンエッグ! 行くよ!」


敵はただの完全な金属に戻ったみたいに見える。なら、金のサモンエッグで!


二人で、敵をサモンエッグを押し込む、これで何とかなれ!

停まった世界に、青龍と白虎が現れた。けど動かない。そして、敵は吸収されて、消えていた。


「やったやったよ!」


「うん~、やったね~」


何とかなった! 何とか出来たよ! 安心で二人して座り込むするとそこにさっきの梟が現れて、何故か攻撃してきた。


「離れて、この梟!」


手が、光から離れた瞬間、光の動きが止まった。そして梟が、


「ほほーう、君の友ともう一人の友は仲が悪そうだね。戦って、どちらかは死ぬだろう。その時は君の出番だ。分かったかい」


その言葉を最後に時が動き出した。そして、周りを見てもその梟はいなかった。


何だったんだろう? 今のは予言? 予測? けど、


「光は、僕の友達とも仲良くしてくれるよね?」


「? 当たり前だよ~」


他の皆は、敵の消失した所で、それは落ちてきた。石が消えていたことに驚いているはずの式が上を見ていた。


「な、何とか助けないと!」


アレは、戦闘機? 


「どういう事?」


「アレは雛の戦闘機よ。雛と一緒に戦っていたんだから少しは目にしなかった?」


「ううん、普通に装備で戦っていた気がする」


「という事は、装着してたのね。まあいいわ。アレは、雛よ。このままじゃ燃え尽きちゃう!」


このメンバーで空を飛べるのは、恐らく光だけだ。けど、ペガサスの力を借りれば!


「僕と、光が行くよ!」


「お願いするわ! 私と皐月は空飛べないのよ。だから、お願い、雛を助けて!」


「うん、解ったよ! じゃあ行くよ! 光」


「うん~、行くよ~!」


ペガサスを召喚して、空へと上がる。高く高く速く速く! 急がないと、戦闘機が燃えつきちゃうよ。


「ペガサス、もっと早く飛んで! もっともっと!」


今のうちに、毒のサモンエッグに毒をつけて、蜘蛛を召喚しよう。


「ん~? 何召喚したの~。って蜘蛛!? 無理無理無理! むいむい無理! しかもなんで蜘蛛なの~! しっかもでっかい!!」


「え。ごめん蜘蛛苦手だった? でも、糸を張ってほしくて」


「糸? 成程、衝撃緩和のためだね~。でも蜘蛛は嫌~!」


悪いけど、光の乗っている、ペガサスに蜘蛛を二、三匹付けてっと。


「ぎゃああああああ、なんで付けるの~!? あたし、蜘蛛嫌いって言ったよね!」


「ごめん、けど、網を張らないと、助けられないよ」


「もう一頭出して、そっちに付けてよ~!」


「でも操作する人が乗ってないとだめだしね。後二頭は出したけど、それも補助だし」


「ううう~」


あ、涙ぐんでるけど、頑張ろうとしてくれているみたい、もう一押し!


「後で、何か買うから、お願いだよ」


「そんなんじゃだめだよ、後で、何でもいう事聞いてね」


「え! うん分かったよ」


少しうれしそうな顔になってくれた。その間にも、僕は、水のサモンエッグで、玄武っぽいのを召喚、風の残ったサモンエッグで、風鳥の召喚、そして、金のサモンエッグの準備をしていた。やっとの思いで、雛に接触の範囲に近づいた。


「雛!」


「雛ちゃん!」


先ず声をかけて見たけど、やっぱり反応がないよ。なら、


「まず、玄武! 思いっきり、あの戦闘機を冷却して!」


その声に反応して玄武は水を飛ばしてくれ、


「こんなもんかのぅ」


とやってくれている。次に、風鳥たちが飛んでいき、できるだけ、こちらに来るように、そして衝撃緩和をお願いした。


「次、行くよ! 光」


「うん~!」


光と僕は糸を広げながら、雛に向かっていく、そして何重もの網で何とか衝撃を抑えつつ、雛を助けて、墜落させずに済んだ。

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