11話 敵艦を発見!
11話 敵艦を発見!
「お前たち! まーだ弾丸の準備をできないのか~い」
「も、申し訳ございません! 刑を重くするのは、ご勘弁ください!」
僕は、妻と一緒に捕まり、その後輸送船? の中で、僕は弾丸運び、妻は掃除や洗濯、調理等の仕事に回された。そして今、この船の看守が言うにはこの船は狙われているらしい。だから今、戦いの準備をしている。
「仕事のでき次第だーよ。追いかけてきているはずだから早くしなさーい」
「は、はい!」
何故ここに僕は居るんだ。そればかり考えてしまう。僕はあの時までは、妻と娘の3人で娘は引きこもっていたが、それなりに楽しい生活をしていたはずなのに。娘が悪魔憑きになって、僕たちはその娘を育てた容疑で捕まった。疑問はある、だが後悔も反省もましてや、罪意識もない。ましてやコウノトリシステムから授かった、あの子を恨むこともない。ただただ世界に疑問を持った。そして、どうやらここにはそんな人間ばかりが乗っている様だ。
「なんでこんな目に、ただ、息子を育ててただけなのに! なんなんだ! どうしてこんな事になったんだ。この世界は!」
誰かが叫ぶ。偉い人の考えなんてわからない。けど、こんなのはひどすぎる。子供を育てただけで、犯罪者なんて! けど、どうしようもない。脱獄しようにも、電気ショック付き首輪をつけられて、逃げた時点で電流が流される。その痺れている間に回収されてしまう。だから僕たちはこいつの言う事を聞くしかない。腹が立つし、惨めだが仕方ない。
「叫んだのは、お前かー? んー?」
あ、あの男。今叫んだ事で、頭を鷲掴みにされてたぞ。けど、今頭をつかんだあいつは、たしか看守だけど、どちらかと言うと、研究者寄りだったはずなのに、なんで頭を鷲掴みにして、しかもそれを持ち上げることができているんだ?
いや、そんな事より、頭を鷲掴みにされている人を助けないと! そう考えた瞬間大きな揺れが僕たちを襲った。
「なんだー! 何事だー! 見張り、状況を知らせろ!」
「は、はい。正面から、砲撃を受けています」
「何だとー! 何故ー船が現れた時に、俺に連絡を入れないー!」
「そ、それが、いきなり現れたんです。最初は幻覚かと思いましたが、それが砲を撃って来まして……」
「もういい! 皆、応戦だーよ! 砲の準備とー、主舵いっぱいだーよ」
「は、はい」
はっきり言ってウンザリだ。でも生き残るにはやるしかない。その気持ちで、僕たちは動き出す。悔しい、苦しい、悲しい。でも、一人娘の顔を思い出す。あの子をもう泣かせるわけにはいかない。死ぬわけにはいかない! そう心に決めて、僕は砲弾を込める。生き残るために。
「あ、あの~水中に何かいるようですが……」
誰も反応しない。
「あ、僕が伝えておこう。だから、君は水中聴音機の確認に戻っていていいよ」
「あ、ありがとう」
僕は水中の話をするために、あの男を追いかけた。
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