第13話 あなたに会いたかったんだ
あなたに会いたかったんだ
公園の時計で、時間を確認。今の時間は、2時! とりあえずこっそり帰って、その後でお母さんに相談かな? まあ最悪、黙って出てきてもいいかな? そう考えつつ、近くのベンチに座ると、
「う~ん! やった~!」
何故か、光に抱き着かれた。
「どうしたの? 光、テンション高いよ」
「うん。だって、あたしは出会ったんだもん。夢にまで見た、あなたに!」
そう言うと僕に指をさす。
「あなたみたいな人に会いたかったんだ! あの人たちを大好きな、あなたに! だから嬉しくてね~。それだけで、あたしは大万歳なのに、ついて来てくれるなんて、嬉しいんだよ~」
「え、でも、さっき、僕がついて行きたいって言った時、断ったよね?」
「あれは~、貴女の覚悟と、ただ単に、あたしの事を~、名前で呼んで欲しかったんだ~」
「そうなんだ。連れて行ってくれるって、決断してくれて、ありがとうね」
「ううん、いいよ~」
「で、サターンはどうするのかしら?」
「はっ、ヴィーナス様について行きとうございまする」
「いいわよ。じゃあ、サターンと光、奈波は儂と共に、エルピス探しの旅ね。で、飯野は?」
「なら、自分は単独で行くか。情報収集の為にも、そのほうが良いだろう」
「そうね。じゃあ連絡先、交換しておきましょう」
「ああ、宜しくお願いする」
話がまとまったみたいで、師匠とヴィーナスさんは連絡先を交換して、光は彼女たちのテントに入っていく。そろそろ僕も家に帰って、寝たほうが良いかな?
「じゃあ僕は一旦家に戻って、寝てから、親を説得するね」
「大丈夫~? ちゃんと説明できる~?」
「うん、大丈夫だよ。8時ごろにはここに戻ってくるよ」
僕は夜の街を駆けだした。危険地帯である海から遠のくためではなく、家に出来るだけ早く着く為に。
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