第4話

 結城先生が皇条高校を去ることになる二日前。

 あいかわらず先生の世界史の授業は面白くて、教室は絶えず笑い声で溢れ返っていた。

 堅苦しくない雰囲気。テンポのいい進め方。そしてなにより、海外での豊かな体験談を交えながら歴史を紐解いていく先生の指導スタイルは、生徒たちの興味と学習意欲をそそった。

 そんな楽しい授業のはずなのに、わたしは心から素直に笑うことができなくなっていた。

 あと二日。

 あと二日したら、結城先生はこの学校からいなくなってしまう。そう考えるだけで、息が詰まりそうだった。

 けれど、先生がいなくなってしまうということに敏感になっているのは、わたしだけではない。実習期間当初より、その切なる想いを告白しようとしている女子生徒の大半が、不安と焦りに駆られているようだった。

 先週、わたしは気づいてしまった。結城先生のことが、好きなのだと。

 でも、わたしには、あの子たちみたいにこの気持ちを伝える勇気なんて到底なくて。過ぎていく時間の流れに、ただただ身を任せることしかできなかった。

 そして、この日の昼休み。

 わたしは、奈落の底へと、一気に突き落とされることとなる。

 クラスメイトのほとんどが出払った状態の教室。その片隅で、部活で使用する楽譜をよんでいたときのことだった。

「ねえねえ、知ってるー?」

「なになにー?」

 突然、噂好きの女子たちの会話が聞こえてきた。思わず聞き入ってしまう。

 そこで告げられた、衝撃の事実。

「隣のクラスの子、ついに結城先生に告ったらしいよー」

「えーっ!!」

 心臓がドクンとひとつ鈍く打って、身体が硬直する。焦点が定まらず、譜面がぼやけた。

 聞きたい。聞きたくない。

 そんなわたしの意思とは無関係に、彼女たちは大きな声で話を続ける。

「それでそれで?」

「それがさ! 結城先生、彼女はいないんだけど、気になる人がいるんだってー! それが理由で、その子、フラれたらしいよ!」

「うっそー!? それってやっぱ、大学生なのかな?」

「さあ? そこまでは教えてくれなかったみたいだけど。……でもさ、普通に考えればそうだよね。ウチらみたいな高校生、相手にされるわけないじゃん」

 まるで、耳にもやでもかかったかのように、しだいに遠退とおのく彼女たちの声。

 ああ——自分のこの想いに気づいたのが遅くて本当に良かった。一緒にいる時間が残り少ない分、傷が浅くて済む。

 やっぱり、先生は、わたしたち高校生なんかとは違う大学生で。きっと、先生の想い人も、わたしたち子どもなんかとは違う大人で。

 思い知らされる。

 自分は、先生にはまるでふさわしくない、ただの子どもなのだということを。

 昼休みに彼女たちの会話を聞いてからというもの、それからの授業はまるっきり頭に入らなかった。

 あの会話が耳について離れない。脳内で何度もリピートされては、それと同時に結城先生の顔が浮かんでしまう。そのうえ、浮かんだ顔はどれも笑顔ばかりで、そのことがわたしを余計卑屈にさせた。

 陰鬱とした気持ちを引き摺ったまま、部活をするために音楽室へと向かっていた放課後。

 おぼつかない足取りで廊下のT字路に差しかかったときに、それは起こった。

 右折することばかりが先行し、不用意に自身の体の向きを変えたその瞬間、案の定そちらからやってきた人物と、ぶつかってしまったのだ。

「うおっ!!」

「わっ!!」

 勢いあまって、衝突地点からやや後方で尻餅をつく。慌てて謝ろうとしたのだが、ごめんなさいの「ご」の字を言う前に、相手方から先に謝られてしまった。

「悪い! 大丈夫か?」

 その相手というのが、

「結城、先生……」

 今わたしの頭の中を四六時中占拠している人で、今一番会いたくなかったかもしれない人。

「ごめん、星ちゃん。怪我ないか?」

 優しく手を差し伸べてくれた結城先生。けれど、わたしはその手を取ることなく自力で立ち上がった。

「だ、大丈夫です! すみませんでした。わたし、前よく見てなくて……」

 軽くスカートをパンパンとはたき、乱れてしまった髪と体勢を整える。

「いや、俺のほうこそ。荷物持ってて上手くバランス取れなくて……」

 そう言った先生の腕には、蓋の閉まっていない段ボール箱が抱えられていた。中からは、模造紙やら教師用の長い定規やらが飛び出している。

 大きいはずの先生が、さほど大きくないように見えてしまうそのサイズは異常だ。

「……わ、わたし、部活があるので失礼します! ほんとにすみませんでしたっ!」

「あっ、星ちゃん!」

 なにやら先生に呼び止められたが、居心地の悪かったわたしは、それを振り切るようにして音楽室へと急いだ。今は先生とまともに顔を合わすことすらできない。

 その日は、大好きな部活さえも、まったくといっていいほど手につかなかった。





 ❈ ❈ ❈





 次の日、結城先生がいなくなってしまう前日。

 この日で、先生に世界史を教えてもらうのは最後となった。最後の最後まで、先生の授業はとても面白かった。

 苦しいほどに。

「えーっと……今日で俺の授業は終わりです。まだあと少しだけ時間残ってるけど、何か質問とかあるか?」

 持っていた教科書や資料集をトントンと教卓の上で整えながら先生。ざわざわと、教室内が少し騒がしくなる。

 それからしばらくして、一人の男子生徒が、おもむろに口を開いた。

「それって、世界史に関係ないことでもいいんですか?」

「ん? ああ、まあいいけど」

 この承諾を受けた彼は、少し間を置いて、遠慮がちにこんな質問をした。

「……先生は、将来教師を目指すんですか?」

 クラスじゅうが「何をいきなり聞き出すんだこいつは」という雰囲気に包まれた。しかしなるほど、教育実習をしたからといって、すべての人が実際に教師になるとは限らない。

 先生は、彼のその質問の意図を、ちゃんと汲んでいた。

「おー、なかなか核心をついた質問だな。……そうだな。じゃあ、それについては、明日の最後のホームルームで答えることにするよ。 それじゃあ、今日の授業はここまで。お疲れさま」

 どうして今すぐ答えないんだろう? 誰もがそう思ったはず。

 こうして、小さな疑問を残したまま、結城先生の教育実習最後の授業は終わった。

 迎えた放課後。

 昨日はそわそわと落ち着きがなかったせいで、部長の七海先輩に心配と迷惑をかけてしまった。同じてつを踏まないよう自分を鼓舞し、本日の部活に臨む。およそ三時間。どうにかいつも通りの演奏をすることができた。

 ここのところ、夏のコンクールに向けての練習に励んでいるため、終了時間が普段よりも遅い。今日も片づけを済ませたころには、外はもうすっかり薄暗くなってしまっていた。

 昇降口の靴箱に上履きを入れ、そこからローファーを取り出すと、足早に職員用の玄関へと向かう。

 そして、外に出ようと扉を開けた、まさにそのとき。

「今部活終わり?」

 背後から、急に声をかけられた。

「あっ、はい……」

 結城先生だ。

「随分遅くまでやってるんだな」

「もうすぐ、コンクールがあるので」

「そっか。……ちょうどいいや。一緒に帰ろ」

「えっ……」

 今、先生と二人きりになるのは正直つらい。だけど、ここで断って気まずくなるのは、もっとつらい。

 なので、わたしは、この申し出をしぶしぶ了承することにした。

「……はい」

 先生と歩く二度目の通学路。

 けれども、このあいだとは一転し、どんよりとした重苦しい空気が流れている。口数も、そのときに比べると、明らかに少ない。

 こんなふうにしてしまっているのは、まぎれもなくわたしなのだが。

「……もしかしないでも俺、星ちゃんに避けられちゃってる?」

「えっ!?」

 予想外のショッキングな言葉に、驚きのあまりかなり大きな声を出してしまった。見開いた目を先生のほうへ向けると、お互いの視線が一直線に重なる。

 このとき、先生の顔をまともに見たのが、実にしばらくぶりだということに気づいた。

 避けているつもりはなかった。でも、そうだ。ここ最近の先生に対する自分の態度は、そう思われても仕方がない。……最低だ。

「……俺、嫌われちゃったかな?」

「そっ、そんなことっ……!!」

 あるはずないっ!! むしろその逆だから、こんなにも苦しいのに……。

「何か気に障ることやらかしたのかもって、振り返ってみたけど、思い当たることなくて。俺が鈍感なだけかもしれないけど……」

「あ……」

 結城先生のその表情は、先日図書室で父が亡くなっていることを告げた際と同じものだった。

 やめて。先生のそんな顔見たくない。見たくない、のに。

 先生にそんな顔をさせてしまっているのは、ほかの誰でもない——わたしだ。

 そんな不甲斐ない自分に腹が立って、もどかしくて、情けなくて。

 気づけば、

「星ちゃんっ!?」

 泣いていた。

「ごめんっ! そんなに嫌だったのか? 俺——」

「違うんですっ!」

「……え?」

「違うん、です……」

 もうダメだ。自分の気持ちを隠すことなんてできない。

 抑えることなんて、

「わ、わたし……」

 できない。

「わたし、結城先生のことが……」


 ——好きです。


 ……言ってしまった。

 もう、あと戻りはできない。

「わたしみたいな子どもがこんなこと言うなんて烏滸おこがましいって、先生には釣り合わないって、わかってます。だけど、先生の顔見るたびつらくて苦しくて……だからっ——」

 自分の胸のうちを一気にここまで吐き出したところで、急に目の前が真っ暗になった。

 時間的に太陽はすでに沈んでしまっていたが、目の前から光が、街灯の明かりさえもが、なくなってしまった。

「どうして、そう決めつけるんだ?」

 ここで、自分は先生に抱き締められているのだということを知る。

「え……?」

 なぜなら、先生のその言葉は、わたしの頭上から降ってきたから。

「何が烏滸がましいんだ? どうして釣り合わないなんて決めつけるんだ?」

「先生……?」

 その声は、心なしか震えていた。

「情けないな。俺が言うつもりだったのに……」

 次に先生の口から紡がれた言葉で、自分は夢でも見ているのではないかと疑った。

「俺も、星ちゃんが好きだ」

「そ、んな……嘘……」

「嘘なんかじゃない。初めて会ったときからずっと、好きだった」

 その瞬間、わたしの中で入り乱れていたさまざまな感情が爆発して、さっきなんかとは比べものにならないほどに涙が溢れ出した。

 先生のことが好きだと気づいたあの日、先生と会えなくなってしまう恐怖が、父が入院していたときのそれと重なった。

 どんなに抗っても、いくら耐えても、嘲笑い、踏みにじるかのように退転する状況。ただひたすら怯えることしかできない無力な自分。

 父が亡くなったとき、これからはひとりで生きていくのだと、誰にも頼らないと、そう心に決めた。

 けれど、先生と再会して、その優しさに触れて、一度は諦めた安らぎと温かさをもう一度知ってしまった。

 そして、これほどまでにわたしのことを理解してくれる存在を、もう二度と失いたくはないと思った。

 自分の中で膨らんでいく貪欲の塊。心が渇いていくのを感じた。

 先生に気持ちを伝えてしまえば、そんな醜い自分の内側をさらけ出すことになってしまうのではないかと恐ろしくなった。嫌われてしまうのではないかと。

 それなのに先生は、こんなわたしのことを好きだと言ってくれた。

 けっして叶わないと、叶うはずないと、思っていたのに——。


 ❈


 どれくらいのあいだ、こうしているだろう。

 ひとしきり泣き腫らしたあと、あることを思い出したわたしは、可笑しくなって先生の腕の中で小さく笑った。

「……どうした?」

「……前にも、こんなことあったなって」

 そう。あれは三週間前、母が家に来た日のことだ。

 あの日も、泣いているわたしを、先生はしっかりと受けとめてくれた。

「そう、だったな。……あれからもう三週間も経つのか」

 先生と一緒に過ごすようになってから一ヶ月。短い間だったけど、わたしは先生からいろいろなことを学んだ。

 人を頼ること、人を信じること、それから——人を好きになること。

 先生は、わたしを抱き締めていた腕を解くと、今度は向き合ったまま、両手でわたしのそれらをきゅっと握ってくれた。

 大きい手。そこから伝わってくる温もりに、ひどく安心した。

「……先生。わたし、クラスの子たちが話してるの聞いちゃったんです」

「何?」

「昨日、先生が告白されたときに断った理由」

「えっ? あ、ああ……」

「『気になる人』って……」

「もちろん、星ちゃんのことだけど」

 わかっていても、こうして面と向かって言われるのは結構恥ずかしい。

 今が夜で良かった。わたしの顔、きっと真っ赤だ。

「言う必要なかったと言えば、なかったんだろうけど……なんでだろうな。気がついたら、正直に理由話してた」

「……」

「俺自身、焦ってたのかな? あと二日で終わりなんだって思ったら、なんか切なくて……」

 そう言った先生は、とても艶っぽくてかっこよかった。

 先生もわたしと同じ気持ちだったのだと知り、なんだか胸がじんとした。

「ありがとう、星ちゃん。俺、今ほんとに嬉しい」

「お、お礼言うのはわたしのほう! ……わたし、お父さんや身内以外の人に、ここまで素直になれたの初めてだから。わたしの生い立ち知ったら、みんな同情だけしてそれ以上は絶対踏み込んでこないって、わたしが求めれば離れていくって、勝手にそう思ってた。でも、先生は、わたしの暗い部分も含めて、ちゃんとわたしのこと受けとめてくれた。先生のこと、もちろん男の人として好きだけど……だけどね、人として、教師として、すごく尊敬してる」

 ありがとう、と小さく言えば、先生はまたわたしのことを抱き締めてくれた。

 今度は、さっきよりも強く。

「まったく……どこまで俺を惚れさせるつもりなんだ」

「んっ? えっ?」

 そんなつもりは毛頭ないのですが……!!

 状況に思考がついていかず、目をグルグルさせていると、先生はわたしの背中に回していた腕をいきなり放した。そして、間髪容れずに、今度はその腕でわたしの両肩をガシッと掴む。

「決めたよ」

「な、何を……?」

 先生の真剣な眼差しが、驚いて丸くなっているわたしの瞳と交わる。

「俺、教師になる」

 それは、授業の終わりに、クラスの男子が行った質問の答えだった。

「先生……?」

 いまいち先生の心情がわからず、疑問符を浮かべているわたしに、先生は胸の内に抱えているものを打ち明けてくれた。

「俺、教員免許取るために大学で科目選択してきたけど、実際のところ悩んでたんだ。俺は本当に教師になれるのか、教師に向いてるのか、ってね。でも、今の星ちゃんの言葉聞いて決心したよ。……ありがとな」

「そんなっ! 先生は教師になるべきですよ! 先生の授業すごく面白いし、教えるの上手だし」

 あんなに笑いの絶えない、楽しくてわかりやすい授業は初めてだった。きっと、先生の授業を受けた誰もが、そう感じているはずだ。

「だけど星ちゃん、最後のほうは笑ってもくれなかったな」

 率直な気持ちを伝えたわたしの意に反し、顔色も声色も変えずに明後日のほうを向いたままの先生に、はなはだ焦る。

「そ、それは、先生のこと意識しすぎちゃって……っていうか気づいてたんですかっ!?」

「当たり前だろ? 好きな子のことなんだから。気づかないわけないよ」

 慌てふためくわたしに、少しも言い淀むことなく、目を見据えてはっきりと先生はこう言った。

 なんだ、この人は。天然たらしなのか?

 でも、先生のそんな一言に、心が温かくなるのを感じた。

 お互いの想いを確かめ、伝え合ったわたしたちは、再び家路を歩き出した。

 空には、今の時季が嘘のように、たくさんの星がまばゆく光り輝いている。

「ありがとうございました」

 胸の高鳴りがやまぬうちに、あっという間に我が家に到着してしまった。

「こちらこそ。すごく嬉しかったよ。……ありがとう」

 わたしの大好きな先生の笑顔。

 先生は、本当に綺麗に笑う。

「じゃあ、また明日。おやすみなさい」

「ああ、また明日」

 お辞儀をして挨拶を済ませ、玄関の扉に鍵を差し込もうとした、その瞬間だった。

「え……?」

 突然、先生に腕を引っ張られ、振り向かされた。肩にかけていた鞄が、トサッと音を立てて落ちる。

 さらに目の前には、


 先生の顔が。


「……っ——!?」

 わたしの唇と先生のそれとが重なっているという事実をやっと把握できたころには、二人の顔は、もうすでに離れてしまっていた。

「おやすみ」

 ふわりと微笑んでそれだけ言うと、先生は帰っていった。

 なす術なく、呆然と立ち尽くす。けれど、不思議とどこか冷静な自分もいて。

 落ちてしまった鞄を拾い上げ、手に持ったままとなっていた鍵を使い、家の中へと入る。

 いつものように足に擦り寄ってきた雪を抱き上げ、二階の自室へと向かうと、雪を抱いたままベッドの上に腰掛けた。

 と、ここまで来ると、さすがにさきほどの一部始終が脳裏に蘇ってきて——


 ——発狂した。

 

「…………う、うわああああっ!!」

 せ、せせ、先生と……キキキ、キスしてしまった!! いや、正確には〝された〟んだけど!! 記念すべきわたしのファーストキスは自宅の前ですかそうですか!! し、しかも先生わたしのこと呼び捨てに……!!

 直前の情景が、怒涛のように、頭の中を超高速で駆け巡っていった。

 身体が熱い。心臓もバクバク鳴っている。今水をかけられたら蒸発させてしまいそうだ。

 そして、以上がひと段落したところで出た結論。

「……やっぱり先生は大人なんだね、雪」

 わたしの顔を見上げ、これを肯定するかのように「ニャッ」と鳴いた雪の鼻先に、自分の鼻をピタッとくっつける。すると、雪はまるで励ますかのごとく、わたしの鼻を柔らかなその肉球で、ぷにっとひとつ押してくれた。

 明日いったいどんな顔をして会えばいいんだろう? いやいや、普段通りでいいんじゃない? いやいやいやいや、そもそも普段通りとはっ!? 

 心にざわつきを抱えたまま、この日はいつもより早めに就寝することに。

 だが、ベッドに横になっているにもかかわらず、身体がフワフワと宙に浮いているような錯覚にとらわれた。

 そうして、日付が変わるころ。わたしは、ようやく夢の中へと辿り着いた。

 静寂と宵闇に包まれた、小高い丘の上。頭上を仰ごうとしたそのとき、誰かに呼ばれた気がして、ぱっと振り返る。

 そこには、はっきりと父の姿が見えた。

 父は、あいかわらずの穏やかな表情で、わたしを見つめてくれていた。

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