第13話
「今度、面接受けに東京に行くことになりました」
「もしよかったら会いませんか?」
確かに、面接のためにこっちに来るかもしれないとは言っていた。
しかし、そこまで本気で言っているとは思わなかった。
これまで、アプリで知り合った男性と会ったことは2度ほどあった。
その時はどちらも、ランチを一緒に食べて、それで終わりだった。
その後、関係が発展することもなかった。
今回も、食事を一緒にしましょうという誘いなのか?
だって、いきなりそういうことをしましょうとも、ならないだろう。
ならないはずだ。
「お誘い嬉しいです。私も藤野さんにお会いしてみたいです」
来週の木曜日にこちらに来て、木、金と面接を受け、土曜の夜に帰るらしく、金曜の夜に会いましょうという話になった。
会って何をするのかを確かめる勇気が出せないでいると、こんなメッセージが送られてきた。
「ご飯は終わってからでいいですよね?」
私は今、29年間の人生の中で最も危険な道に足を踏み入れているのかもしれない。
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