第4話

酒を飲んで夜遅く家に帰ったらすぐに風呂に入るべきだ。

ソファに座り込んでスマホなどいじり始めたら最後、明け方まで、窮屈な仕事用の服のまま、メイクも、体に染みついたたばこの臭いも落とせないまま、夜明けを迎えてしまう。


が、今夜は動けなかった。

なんとなくマッチングアプリのアイコンをタップする。

私が登録しているマッチングアプリには、コミュニティという機能がある。

ここから、自分と同じ趣味やライフスタイル、価値観の人を探すことができるのだ。


私はとりあえず「映画好き」であるとか、「読書が好き」「一人暮らしをしている」などといった毒にも薬にもならないコミュニティに参加している。


不意に思い立って、虫めがねのマークを人差し指で触れ、検索窓を表示させた。

枠の中に「くすぐり」と入力して検索してみた。


と、「くすぐりフェチ」なるコミュニティが2件ヒットした。

参加人数10人となっている。


こんな不健全なコミュニティが存在していたとは。

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