第3話
仕事の後、高校時代の友人の晴子と、3ヶ月ぶりに飲むことになった。
「マッチングアプリの調子はどう? 成果あった?」
晴子がシーザーサラダを自分の皿に取りながら聞いてくる。
「イマイチだよね。順調に会話が続いてると思ってたのに急に返信来なくなったりしてさ」
巨峰サワーを一口飲む。
濃いめに作られているらしく、一口で頭がくらくらしてくる。
「プロフィールに映画好きって書いてるから、映画の話振られることが多いんだけどさ、会話が途切れて新しい人とメッセージのやり取りが始まるたびにまた最初から話さないといけないのがだんだんしんどくなってきたわ」
少し離れた席で、仕事帰りのサラリーマンらしき人の集団が大声で話している。
そのせいで私たちの声も自然と大きくなる。
「マッチングアプリ始めたら平均3ヶ月で彼氏できるとか言うけど、全然できないよね」
「本当だよ、もうすぐ半年経つよ」
二つ余ったからあげを一つずつ食べ、サワーを一気に飲み干した。
頭がぼんやりして、思考が停止する。
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