17話 チョバブ(寿司)おいしいよね?


私はイヴァンに引っ張れる形で会議室へと再び赴いた

そして椅子に座らされる


マーヴィン卿が私とイヴァンの様子を見てため息をついた

「どうやら予測よりも早く収集が着いたみたいですね」

「陛下が平謝りしているのを見たかったぜ」

「それは見ものだな!ガハハ!」

「次に俺ではないことを祈りますよ……」

「うむ。見ているこっちも気分が悪いですな」

「今後の仕事を与える量については相談するように心がける」

「ぅー…。眠い……」

「とりあえずこの会議が終わったら寝ていいですから!と言うかなんとしてでも睡眠を取らせますから!」

「アーチー卿は神だ……」


「それよりも会議を進めましょう。クロム卿のためにも」

「同意見だぜ」

「クロム卿は王国に行き次第どうするつもりで?」


私は大きなあくびをなんとか抑える

「うーん。そうですね。王都には一時滞在をした後にはこちらに戻って整備に勤しもうかなと思っていたところです。元他国の人間が迂闊に手出ししてはいけないですし」

「なるほど。我々からの意見としては騎士として加わってもらいたいのが本意です。ですが、父がどう言うか……」

まぁ、頭がいい人間は使うという精神は理解出来る。でもそれが敵国だった人間なら脅威にもなる。反乱を起こすための勧誘や準備を与えることになるから。私的にはする気は無いけどね

てか上に立つの面倒だし。父さん見てたこっちからしたら御免だわ…


「あの方は頭が硬いことで有名な人だぜ」

「そうなんですか?」

余程、頑固なんだろうなぁ。よくいえば厳格だけど

「あの男は現実主義者だからな……」

あー。まぁ、普通じゃない?現実的じゃないと国政なんてやってられないのが普通でしょ?


「厳格かつ冷徹な騎士団総長なのですね」

「ああ。後で困ることは排除してかかる節がある」


当然だね。有害物質は排除して置くべきだね

まぁ、し過ぎも反感を食らうし好感度にも関わるから度合いというものが大事だけど


「あの人は温厚とはほど遠い存在です。父は温厚など捨てろと口を酸っぱく言われましたから」


あー…。それはちと無いわ…。温情も必要だよ。温情によってより強固な信頼関係を刻むことが出来る時もあるから。人によるけど


「まぁ、そんな感じな人なんだよ。ほんと。理屈重視て言うか。ほんとに気難しい人だぜ」

「高確率でサーマン公は認めないだろうな」

そう言ってメガネをクイッと上げる


へぇー…。ハーバード卿ってメガネクイッするんだ。まぁ、不自然じゃないメガネクイッだし。作法が綺麗だからダンディーな感じにしか見えないんだけどさ

そのせいか、アラン卿も作法綺麗だよな。お母君が王宮に働いていたりしたのかな?


「ほんとに面倒臭い方だぜ!ガハハ」

「ガハハではないだろ。グレン卿はサーマン公のお気に入りだろう?何かないのか?」


みんなの視線がグレン卿に集まる。グレン卿は実力主義者であり作戦を理解するだけの頭脳は持ち合わせている

だから理解出来る。パワーだけでは軍というものは固まらない。頭脳なくして軍とは言えない

例えどんな形であろうとも。どんな時代であっても


「知らん!ガハハ」

「「「「はぁ……」」」」


みんなのため息が被る

ちなみにしてない人は私とエドワードだけだった

使えないというのがみんなの意見だ

可哀想に…


「皆さん。誤解してませんか?私は現実主義者ではないと思ってませんか?」

「理想主義者ではなくとも現実主義者とは違うだろ?あぁん?それに何となく中立的な感じだろ?あぁん?」


するとエドワードが咳払いした

「私から言うと。リゼル様の場合は超がつくほどの現実主義者です。理由が無い行動はしません。全て分析と経験、利益の善し悪しで動くような人です。それにこの人と議論したくないに1票です。普通に論破されて困るだけです」

「まぁ、その私にとって天敵がイヴァンなんですけど!この人、何かと異次元なんですよ!私の魔法を無効化できるとか頭が良くて剣術も一流とか聞いてない!オマケに予想外なことはしてくるわ地位は高いわ……で、論破できないし!腹立つ!!」


イヴァンはニヤニヤと笑っている

こいつ喜びやがって!絶対いつか痛い目見せてやる!

それを見た全員がため息をついたあと、私の方を見て憐れむ視線を向けてきた


「なので心配はないでしょう。この人なら。まぁ、振り回されている件についてはご愁傷さまです。私にもどうにも出来ません」

「いつか絶対痛い目見せてやる!」


「ツンデレのくせに……」

そのイヴァンの一言にみんなに雷が落ちた

ちなみに私は聞こえてなかった。ならなぜ書いているのかそこは企業秘密


というわけで怒っているせいか心の中は文句でいっぱいです

あー!!腹立つ!こいつ

度々一緒になれば意地悪はしてくるし、仕事の邪魔はしてくるわで困るんだよね

最近は私の仕事量とかを見てあまり声をかけては来なくなったけど

あ、別に不安とかそういうんじゃ…ない

そういんじゃなくて単純に仕事が進まなくて困るし………。だから腹が立つてだけで…

寂しいとかそういうんじゃ…ない



「あー……」

「うむ。これは……」

私は当たりを見て周りの反応に違和感を感じた

そして頭を傾げた

「ん?どうにかしましたか?」


マーヴィン卿が咳払いするとハッとした後、現実に戻ってきたみたいだ。何かあったのかな?

まぁ、聞かないでおいた方がいい気がする。何となく。それにしても眠い……


「ならば大丈夫ですね。『』ですね」

「うむ。それでいいかと」



その後、会議は解散となった。私の仕事量は少なくされた!それについてはHappy!

だけど、何故かマーヴィン卿やアダム卿、アラン卿に視線的な攻撃がくる。何故だろう?

まぁ、イヴァンの野郎がなんか風潮したに決まってる

全くあの男は……



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それから1ヶ月がたち、私たちはイヴァンの祖国ことヒメラレルギー聖王国に帰ることとなった

海沿いを通って行くらしく、途中途中にな観光名所がある


特に今来ている港を中心とした都市は有名だ

水の王都とは違った趣がある。港町一つ一つに趣があって美しい。料理も絶品で大陸中から観光客が集まることで有名だ


私は1度、父に連れられて来たことがある

とは言ってもここにある軍港に用事があって来たのだけれども

その軍港でさえも美しい海と壮大な軍艦は1枚の絵に見えるほどだった



ちなみにだが、私たちは市民の服装に着替えている。言わいるシャツにズボンにジャケット。それもくたびれた物を...


「綺麗だな」

「当然ですよ。この国一の観光地でもありますから。『フランソリワに来たら必ずマーレに行くべき』と言われるほどですからね。それだけ美しい都市です。時間もゆったりと流れるので精神が安らぎます」

「だから寄り道しようと言ったのだな」

「ここまで綺麗な海な初めて見たぞ!ガハハ!」

「妻にも見せてやりたいぜ」

「同感だな。私もそう思う」

「さて、ここの名物な食べ物は何か知ってますか?」

「名物?」

「そうです!」

「何があるんだ!」

「チョバブという食べ物があるです。お酢と混ぜた米を1口大に握って薬味と魚の切り身を乗せた食べ物なんです」

イヴァンがびっくりした

そして私はイヴァンが寿司のことを言おうとしていることに気づき、手で口を抑えた

「それはす……」

イヴァンは私を見て大丈夫だから離してと視線を送ってくるが無視する。何となく腹立つから


「まぁ、このとおり生魚料理なので好き嫌いはありますけど薬味のおかげと鮮度がいいこともあって。そこまで生臭くなく食べられるんです」

「へぇー。不思議な料理だな」

「この土地では有名な屋台飯です。確かここだとケートス市場が近いですね。とりあえずそこに行きましょう」

私は手を離した



そこはたくさんの屋台や露店が並んでいた

食べ物や果物、野菜、海鮮物や肉。珍味まで

活気に溢れていてみんなにこやかだ

最近になって戦争が終わり、重い税が解消されたおかげだいいことだ


全部一通り見たがどうにもここには置いていないらしい。私は露店の店主に聞き、どこでなら食べれるか聞いた

すると近くにあるヒュドゥラ食堂がとっても美味しいということ

というわけでヒュドゥラ食堂に向かった



ヒュドゥラ食堂に着くと綺麗な看板娘と女将さん、それと店主で営んでいる店だった


私たちはメニュー表をみて各々食べたいものを頼む。ちなみに私は煮付け定食を食べた

みんなはチョバブ(寿司)を食べた

最初は戸惑っていたけど食べてみたら美味しかったらしく次々と口の中に入っていく

それを見て私は微笑んだ


すると急に荒声が聞こえてきた

食事に夢中だった私たちはそちらの方を見る

すると看板娘が癖の悪い若い男達に絡まれているみたいだった


「おいてめぇ!!俺が誰なのか知らねぇのか!?その俺に声をかけられたんだぜ?!喜んで着いてこい!!」

そう言って、看板娘の手首を握り連れていこうとする。当然、店主や女将さんが止めに入る

「何かありましたか?」

「何があったって。虫の入った料理を突き出してきたんだ!」

「ボスに何かあったらどうするつもりだったかは知らねぇが、ボスを殺そうとしたんだ。てめぇの体で弁償してもらおうと思ってな」

そう言って看板娘を舐めずり回すかのような視線を向ける

看板娘は青ざめた顔をして身震いをさせた


女将さんたちは困っているみたいだ

聞いた話によるとそんな輩が出没しているとは聞いていたけどここまで酷いとはね


私は席から立ち上がり、その場所へと向かう

イヴァンが必然的に私についてきた


「普通にいちゃもんつけているようにしか見えないんだけど」

「な、なんだてめぇら!?」

「んー。ここに食べに来たお客さんかな?あまりの味の良さに感嘆しすぎて殴りたくなっちゃって」

「ここで戦闘狂はだすな。リゼル」

「え?ダメなの?イヴァン」

「いや、なんか不信行動を取りたくなるくらいに美味いのは分かる。だからってボコボコに殴ったせいで警備隊が来て、時間がかかるのは困る」

「あー。確かに。んじゃ、簡単に痛めつけるよ」

「そうしてくれ。リゼル」

「てめぇら!?俺らを舐めてんのか!?俺たちはな!この港ま………」

まず左のごぼう顔の顔面を殴った

「グハッ!?!!!?」


軽く吹っ飛び、壁に当たり横垂れた。そして遠目で見た感じ気絶している

次にしゃがみこみ、右の顎ケツ男からの攻撃を避け、左足を出して転ばせる。そして腹部に攻撃を与える。こちらも飛んだ後気絶した

そして体勢を整えたあと、中央の男に一気に進み大事なところを喪失しない程度に蹴った

そして悶えている所を右足で脇腹を蹴った

その一連の動作を約30秒ほどで行った


そしてイヴァンが欠かさず、どこから引きずり出したのか分からないロープで縛った

「ふぅ。これでいいだろう」


3人は唖然としている

すると後ろからマーヴィン卿達が来た

「随分と綺麗にやりましたね」

「クロムのあそこの攻撃は妙に1週間も響くんだよな。破茶滅茶、痛かったし悪態ある攻撃だった」

「そんなに酷いのか?あぁん?」

「酷いっすよ!まじで痛かった」

「だが良かったな!喪失せずにすんで!お前が種無しになったらどうしようかと思ったぞ!ガハハハ!!」

「冗談抜きで良かったと思ってるよ!父さん」


すると3人が頭の収集がついたらしく私たちにお辞儀をしてきた

「そのなんとお礼を言ったら……」

「お礼なんてしなくていい。リゼルが料理のあまりの美味しさに馬鹿どもを殴りたくなっただけだ。特にお礼などいらない。逆にこいつらには感謝したいくらいだ」

「感情がある一定数を超えると暴力に依存する性質があるので面倒臭いんです。この人は。本当に困った人です」

そう言ってアーチー卿はため息をついた

「だから気にしなくていいぜ!」

「うむ。その通りだ」

「そんな……。せめて、お会計は……」


私はテーブルを見たがどうやらみんな食べ終わってたみたいだ

ちなみにイヴァンと私は食べるのが早いらしい

多分、戦場では時間が命のせいかもしれない



「それに今は復興しているのだろう?何かと重税や戦争で苦労したはずだ。取れる金は取っておくべきです」


ん?珍しくアラン卿がいいこと言ってる

なんというかこの人って経験不足な点とかあったりするから成長したってことなのかな?


「珍しくアランがいいことを言ってますね」

「んなっ!!?俺はアダムとは違います!いい事だって言えます」

「クロムをいじめてくせにか?あぁん?」

「それは……」

「しっかり本人からは謝罪をこっそり受けていたので借用放免です」

「だそうだ。それ以上は息子が可哀想だ。よしてやれ」

「そういう訳だ。だから会計はする」


そう言って私たちは会計をした

彼らは深くお礼を言ってくれた。それだけでも十分なお礼に足りる





‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆ ・‎⋆


店を出たあとしばらく街を歩き回った後、私たちは軍営に戻ったのだった












読んで頂きありがとうございます


※チョバブは韓国語で寿司です

韓国にもお寿司を食べる文化があるらしいです

やはり近い国なだけありますね‎(◍˃ ᵕ ˂◍)

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