14話 リア充爆発しろ!(作者より)


俺ことメルヴィルは何故かこのマーヴィン卿と言うやつと一緒に聖教国を見回っている


謎だ。声をかけても無言。なのに一緒に観回っているのはなんだろう?

俺が批判派と合わないように見張りでもしてんのか?不思議な奴だな



するとやっとマーヴィン卿と言うやつが口を開いた

「ここに訪れたことがないそうですね」

「え?ああ。フレジリアの大聖堂で騎士として訓練を受けて、その後もそのまま働いてたから」

「そうなんですか」

「あんたは来たことがあるのか?」

「ええ。1度。幼い頃に」

「てことはあんましここら辺のことはよく覚えてないのか」

「ええ。覚えてるとしたら礼拝堂があまりにも綺麗だったことしか覚えていません」

「あー。有名だもんな。7人の女神とアイテール神の神話を写したステンドグラスが」

「ええ。あんなに綺麗なのは今も昔もありません」

「へぇー…。そんなに凄いんだ」

「はい」

「それなら見ていくか?」

「え?」

「今も公開はしているみたいだし。じゃなくともあんたと俺の立ち位置を見たら流石に『ダメです』なんて言えないさ」

「確かに」


そう言って俺たちは礼拝堂に到着した

たくさんの人々がいる。当然だけど

マーヴィン卿はお金を払って券を買った


服装は市民とそうそう変わらない服装にしてきた

聖騎士の中でも位の高い騎士は珍しいもんだからよく目立つ。特に胸あたりにある勲章がある人は女たちに追いかけられる

俺は受付の修道女にこっそりと手形を見せる

それを見た受付の修道女はしばらく唖然としたあと入れさせてくれ、マーヴィン卿はチケットを渡して入った



「聖騎士とは特権職なんですね」

「うーん。まぁ、そうだな。でもそのせいで女達に追いかけ回されたり、目立つせいで極秘任務が無理であったり。兎に角、不自由な点が多い。結婚するにも一々、主神に聞かないと行けないしな」

「そうなんですね」

「ああ。純潔であるべきなのが聖騎士だからまともに恋愛も出来ないな」

「それはお可哀想に……」

「まぁ、別に結婚願望とか恋愛したいとか思わないから別にいいんだけどな」

「随分と淡白なんですね。陛下とは大違いですよ」

「え?ヒメラルギー国王って肉食なのか?」

「ええ。クロム卿のことが大好きですよ」

「えぇ…ー。男好きなのか?」

「あ、一応、本人は言い忘れしているみたいですがクロム卿は女ですよ。諸事情があって偽っているだけで」

「え?!?!そうには見えねぇ……」

「騎士としての建前上、女はなれないので……」

「あー。なるほど」

「ええ。今後の課題です」

「OK。理解した。人には伝えないようにしとく」

「そうしてくださると助かります」



そして俺たちは礼拝をした後、ゆっくりと室内を見る

今日は幸いにも晴れていたせいか色々な色の色彩が煌びやかで美しい。その上、描かれた絵が神話であるせいか余計に見いいってしまった




その後、帰ったのだが。何故か主はとても悶えている。奥の男を見て……

マーヴィン卿はニヤニヤしている

俺は頭を傾げたのだった





✿.*・✿.*・✿.*・✿.*・


2人が帰ってくる1時間前の事



私は演説の準備をしていた

まぁ、それについてはすぐ思いつくし、言うことなんて決まっているから特段、困ったりしない

だからスラスラと文字を書く


すると肩をトントンと叩かれる

私は後ろを向いた

そこにはイヴァンがいた。それも見たことがないくらい凶悪な満面の笑み

私は数分固まったあと、その笑顔に震えた


「久しぶりだな。リゼル」

「な、なんであんたが……」

「ん?教会からバハムート大聖公の演説があるからな」

「いや、来なくていい。普通に来ないで」

「もう来てしまったんだが?」

そう言って近付いてくる



私はすぐさま、窓から飛び降りるために本をぶん投げた


これは本能で動いている

というのもこいつ。この前、私が逃げたせいでご機嫌ナナメらしい。そのせいか私を捕食してかかろうと言うのが聞かなくとも、もう分かる。だって目が狙ってるし、視線が熱い


※逃げろ!リゼル!!私が死ぬ!頼む(作者より)


てか、今思うんだけどさ。私って最初会った時に一目惚れされたとかある?

うん。逆にそうじゃなきゃ。絶対、恨まれて殺されてたわ。今考えることじゃないんだけどさ



するとイヴァンは楽々と交わしあっという間に私の手を握って引き寄せた

そして抱き寄せた。顔が至近距離に来る

まつげ長いわ目の虹彩が綺麗だわで。超イケメンなのが腹立つ。惚れ惚れする程にイケメンなのなんなの?

とりあえず足掻こう。もしかしたら理性が爆発してこうなっているかもしれないしね?(謎)


私は足掻いたがダメだった。

ファーストキスが奪われたのだった(泣)

あぁぁぁあああーー!!!!


※あぁぁーーー!!!(作者です…すみません笑)




✿.*・✿.*・٭❀*


俺は今、満足している

リゼルが顔を手で押えて赤面硬直するのは意外だった

最初会った時に色仕掛けしてきた癖に初心な感じはおかしい。それも手慣れてた感があって余計に変だ


もしかして案外、抱かれたこととか無かったとか?

有り得るな。こいつ嘘つくの上手いし、色仕掛けもある意味、戦術だ。やられる前に殺ればいいだけだ。

そう考えてみると俺は随分と女に慣れたんだなと思わされる。女に追いかけ回された成果かもしれない。そういうのに妙に詳しいマーヴィン卿のお陰かもしれないが……



するとリゼルが俺に向かって殴ってきた。その手を受け止めたあと、恋人繋ぎをする

本人が悶えている


うわぁ……。初心だな

こんな表情をされるともっと意地悪しなくなるな

可愛いな……


俺はリゼルの頭を右手で撫でる


リゼルは大人しく撫でられる。そして上目遣いで俺を見た。好意的な視線が向けられる


どうやら嫌われている訳では無いらしい

こう考えてみるとリゼルはツンデレだな

本人は自覚がないみたいだけど目で追いかけられていることは気付いている

余計に可愛いな。普段は知識人でクールな感じなのにこうされると悶えてしまいそうだ


俺はリゼルを抱き締めた。リゼルは暴れるが俺との体格の差のせいか全く痛くない。普通に抱き締めていられる



「は、離してーー!!」

「ん?本当はこのままがいいんだろ?だって本当に嫌らなら護身術で抜け出せるだろ?」

「んなっ…!?!」

「お前は表情とか心の中よりも行動に出るタイプだから何かアクションを取ったらすぐ分かる」

「私の悪い癖が命取りだったなんて……」

リゼルは俺の胸に顔を埋め、弱いパンチを俺に食らわせる

どうやら恥ずかしすぎて死にそうらしい

流石にこれ以上は可哀想だから俺はリゼルを離した


「まぁ、俺にしてはありがたいんだけが。可愛いから今日はこのくらいで許そう。次逃げたらあの時の約束を果たさせてもらうからな」


すると惚けた顔をして俺を凝視する

しばらくしてなんの事か分かったみたいで焦ってる。可愛いなぁ……

「……へ?はっ!!その約束は忘れて!」

「残念ながら忘れない」

「まさか転生するなんて思わなかったの!」

「それでも言ってしまったことは変えられないものだ」

「………」

うわぁ。困ってる。やっぱり本当は経験なしだったのか。まんまと誤魔化されてたんだな


「逃げなければすぐにはとって食ったりはしない」 「本当に?」

「本当だ」

「分かった」


俺はリゼルの頭を撫でた

リゼルは悶えた。これは多分、俺にしか見せないやつだな。絶対に他人には見せなくないな



٭❀*✿.*・✿.*・


「何してるんですか?大聖公」

急にメルヴィルに声をかけられ、私はびっくりする


うわぁぁああ!!!!!今の聞かれてないよね?

大丈夫だよね?


私はイヴァンの方を見る。イヴァンは大丈夫だという事を視線で教えてくれた

私はほっとため息をつき、理由を考える


「……え?あ、なんでもないけど?」

「なんか悶えていたので。可愛いものでも見ていたのですか?」

「あー……。陛下からうさぎの精霊の話を聞いていたの。あまりにも可愛いもんだからちょっと悶えてしまってね」

「へぇー。クロム卿って可愛いものが好きだったんですね。あまりそんなイメージ無いのですが?」

マーヴィン卿は棒読みでいう

「あははは。顔には出さないだけですよ」

私は苦笑いをしたあと、マーヴィン卿を睨んだ

マーヴィン卿は知らん振りをする


その一部始終をみたメルヴィルは何かを察したみたいだ。こいつ無駄に察しがいいのが腹立つ

1度、川にぶち込みたいわ……


「……。もしかしてお二人って恋人同士?」

「……へ!???」

「まだ恋人には慣れてないがいずれなるつもりだ」

イヴァンは満面の笑みを浮かべる

「なっ!!??」

私は顔が暑くなったことに気付き、手で顔を隠す

それを察したイヴァンが私を背中に隠す


「これまた陛下。大胆ですね」

するとイーサン(アダム卿)が現れた。どうやらマーヴィン卿が入ったのを見てここまで着いてきたらしい

「イヴァ。お前って奴は……」

「いいだろ?」

「あのな。手を出すなら社交界の女にしてくれ。普通に宰相に叱られるの俺なんだから」

「済まないな。これだけは譲れないものでな」

「はぁ……」

「……一体どこに恋する要点があるんだろう?普通に男勝りな気がするけど……」

「一目惚れだからそんなこと探す前にって感じでしょう。運命の赤い糸の繋がりなのだと思いますよ」

「……なんか腹立つ」

「それは俺も理解するぜ。新人」

「それよりもリゼル。こいつがお前の護衛騎士か?」

私はイヴァンの後ろから出てきて隣に立った

私は喉を鳴らした

「はい。そうです。名前はメルヴィン・サイラス・ユガルド。元平民で礼儀作法や剣術、頭脳。全てにおいて騎士に必要とする要件は達しているので大丈夫でしょう。それに悪い事をしようとすれば分かるのでご安心を」

「分かった。よろしく。サイラス聖騎士。私はヒメラルギー国王だ」

「よろしくな!新人。俺はイーサン・アダム・グラニードって言うんだ。武術は得意だぜ」

「脳筋バカだけどね」

「ええ。指折りの脳筋バカです」

「俺は馬鹿じゃねぇよ!マーヴィン卿まで言い出すなんて酷い…」

「なるほど。こちらこそよろしくお願いします」

「ああ」



私達はその後、雑談をしたのだった











リア充爆発しろ!!と書いてしまった作者です

いえ、代弁したと言った方が当たりですね

私は今、恋愛はしたくないので……(言い訳)


読んで下さりありがとうございます

作者より

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