番外編 俺はどうやら一目惚れしたらしい with,出会い編
俺こと
その名の通り、俺の戦い方は暗闇に引き込んで殺す。それが主な戦い方だ
まぁ、先行舞台なわけだし?それが普通なんだが
とりわけ俺の場合は訳が違う
元々、このビジュアルのせいか女に付き纏われやすかった俺は目立たないようにするために日々、精進していた
そのせいか俺は隠れるのがまぁ、上手くなってしまってな。ただ、普通に隠れて何も気づかない敵を殺していたらこう言われるようになったんだ
まぁ、スナイパーでもあったから。カラスのような艶やかな黒髪のせいもあるけど。まぁ、とりあえずカラスが似合う男だとよく言われる
まぁ、そのせいで女嫌いなんだが……
女嫌いが故に俺は日本の軍隊。自衛隊の幹部レンジャー部隊の先行特攻部隊(アサシン部隊)にいるわけだ。レンジャーには男しかいないからな
あ、男が好きなわけではないからな?女が怖いだけだ
そんな俺も今日が最後かもしれない
というのも今日、下された命令は
ブロードクイーン。そいつは強敵だ
数多くの味方がそいつに殺されて行った
その上、ただの脳筋とかではなく頭がとてもいいらしい
策略的殺戮で戦場を血の海にするバケモノだ
本当に馬鹿げてる。大した学歴も持たないのに策略の才能はピカイチで戦闘狂だなんて本当に頭がいかれてる
そんなわけで俺は念入りに味方とともに策略をたてている
みんなの頭をフル活用するしかない
「なぁ。ブロードクイーンてどんなやつなんだ?」
「は?そこからなのか?美谷島」
「お前、それでよくここまで生きてたな」
「……か、確認だよ。確認」
美谷島は慌てた様子で言う
まぁ、こいつは野生の勘が利くタイプだから別に頼る気はねぇんだけどな
「はぁ……。ブロードクイーンは天才策略者にして戦闘狂。戦場を戦略的殺戮で血の海にする化け物だ。頭をフル活用して策略を立てねぇと負けるぞ」
「ういっす」
「んで、どうする?」
「まず、誤情報を流して呼び込ませるのは当然の策だな」
「ああ」
「そこからが問題だよなぁ」
「頭がいいやつはどこまで読んでいるか分かんねぇしな」
「確かに」
「まぁ、手っ取り早く行くなら奇襲だろうけど」
「それくらい流石に読んでるだろ」
「だよなぁ」
「なぁ、黒水。お前、異名持ちなんだからいい策くらい思いつけねぇのか?」
「……。まぁ、ないことは無い。だが、それこそ俺とあの化け物の力量による。最悪、失敗した挙句、俺も死ぬ羽目になるかもしれないが」
「ん?どういう作戦なんだ?黒水」
「まぁ、これは予測なんだですけど。ブロードクイーンて頭がいい。それなら高確率で間違いなくスナイパーに回るはずです。なぜならスナイパーに回って敵の状態を見て狩る。それが一番安全かつ大量に殺す事が出来るからです」
「まぁ、確かにそうかもしれないな」
「もしもスナイパーじゃなくとも見張り役はいるはず、少しでも敵に場所がバレていれば彼女は動くはず」
「確かに。何とかするのは当たり前だ」
「そして
「確かにしそうだな」
「そうなれば、街で身を隠しながら動くはず。そうなれば衛星で確認しつつ場所を特定しながら潜伏して奇襲を仕掛ければ殺せるかもしれません」
「確かにそれは可能性が高い。だが、奇襲を仕掛けて失敗したらどうするんだ?」
「そこは美谷島に死角から狙撃してもらうのはどうすか?」
「うむ。それならば実用性は高いな。だが、お前を失うのもまた辛いな」
「それについては致し方ないでしょう。ブロードクイーンを殺せば戦況はきっと変わるはずです。俺の命で味方の魂や命が救えるならやりますよ」
「……。済まないな」
「いえ。必ずしも成功させてみせます。例え命を落とすことになろうとも」
「ああ。それでこそお前だ」
その後、俺は任務を執行し始めた
流石はブロードクィーン
血の海を作るほどの天才だからこそであろう
隠れるのが上手い
衛星を付け足したのは得策だった
きっとなかったら見失ってた
俺は恐らくそいつが通るであろう家に潜伏した
作戦開始から既に半日経った時、微かに本当に猫の寝息くらいの音がなった
その音が音のほぼない部屋を満たした
俺はゆっくりとゆっくりと30分をかけてナイフを取り出す
そして意識を精神を無にする。そして冷静に動き、確実にそいつの首元にナイフの先を向けた
体を護身術で抜け出せないように体を絡ませ抱き締める
本人は驚いてしばらく固まっている
「っ!?!!?」
「
その人は無言だった。語ることもないという感じだろう。多分、これに関しては俺の勝ちらしい
「
そしてこいつの首をナイフで切ろうとした時……
「……
悠長な英語が出てきた。それも美しい両声類の声
「んなっ!?」
「まさか、アサシンズクロウが日本人だとは思わなかったよ。それも発音下手だし」
そう言って喉で笑う
完全に嘲笑っている。とても恥ずかしいな
俺は無自覚にその人をギュッと抱きしめる
「俺が気にしていることを……」
めちゃくちゃ同僚や上司に笑いものにされてるんだ……。これでも英会話教室行ったんだけど内容は分かるのに発音が下手くそなまま
「ふーん。あー、残念。無線壊しとかなきゃ良かった。まさかアサシンズクロウが英語下手っぴの日本人だったなんて。いい情報だったのに」
「……」
あー。敵軍にも馬鹿にされるのは嫌だな。絶対に
普通に馬鹿にされる。あとは一般人よりかは上手くできるんだけどな……
あー。
「恥ずかしいからって私をぎゅうぎゅう抱きしめないでくれない?ものすごく胸が押されて痛いんですけど……」
「っ!??、?、?!?」
俺は咄嗟に彼女を離した
俺は自分の顔を片手で隠した
っ!??!??!!?!!?
……確かに柔らかいとは思ってた。妙に柔らかいなぁとは。まさか胸だったとは……
俺でありながら馬鹿だ 。あーー……。恥ずかしいな
最近というか数年くらい女性を触る所か声を聞いてすらいなかったから分からなかった
確かにブロードクィーンという異名を持っているのだから女では?とは思っていたけど。まさか本当に女だとは……
「ん?なんで離すの?それじゃぁ、殺してくれって言われているようにしか……」
「……」
あっ……。やらかした。今の俺。女に弱すぎないか?
すると彼女が動いた。俺は身構える
彼女は俺に銃やナイフを向けることはせず、体を俺に絡ませた
すると暗くてよく見えなかった顔が見えた
「んなっ!、?、?!??」
その時、俺は時が止まった
なんだこの美人は……
とても綺麗だ……。漆黒に輝く艶やかな黒い髪に闇に吸い込まれそうなほどの黒い瞳
俺は彼女の顔をガン見する
無に期していた心の弾みに弾んでいる心音や感情でごちゃ混ぜになっている。こんなのは初めてだ
「イケメンじゃん?もったいないなぁ。お姉さんが食べてしまおうかな」
「何を言って……」
んなっ!??!
何を言って……。というか俺が食いたい
「んー。まぁ、さすがに戦場のど真ん中でやることではないか」
そう言って彼女はあっという間に5mの距離を取り、俺に銃口を向ける
…そうだ。俺たちは敵同士だったんだ
日本語で話したせいか味方と区別が付かずにいたけど。こいつは化け物なんだ……
なんか悔しいな。もしも味方であったらどれほど良かったのか……
「残念。こっちも生きていくためにゃー、殺さなきゃ行けないわけ。本当に悲しいね。同じ組織だったら喜んで抱かれてやったのに」
「………」
……鼻血が出そう
「まぁ、安心して?お姉さんも多分、すぐ死ぬから」
「……すぐ死ぬ??」
ん?なぜすぐ死ぬってわかったんだ?
まさかわざと相打ちにするために動いたと言うことか?確かに四方八方敵の死線が巡らせてある
だとすれば最低でも相打ちを狙うのが彼女のポリシーか
でもまだ違う可能性が残っている。その可能性を信じたい。殺害命令を出されている対象ではないということを…
高確率で違う可能性が高いが……
「あー。そう。これでも私もね。こういう異名を持ってるの。
俺は目を大きく開け、彼女を見つめる
「え……。まさか本当に……」
彼女は冷たい顔から満面の笑みを俺に向ける
「だからさ。きっとあんたがここにいるってことは自衛隊がもつ特殊部隊の狙撃兵が四方八方、私の頭を狙っているってことでしょ?」
なぜ俺が自衛隊だと分かった?
アメリカなどの国が民間軍事会社に依頼する時に日本人が含まれたりする時がある。それに自衛隊は前線にそうそう派遣されない。されたとしてもそれは秘密裏だ
「なぜ俺が自衛隊だと?!」
「んー。勘かな。外国人と違って日本は貞節と礼節を思いやるからだから君はチェリーボーイなのかなって。あと、用意周到さもあるね。暗殺できな時のためにスナイパーと兵士をそこら中に隠している当たり」
「………」
確かに。用心深いところはある
潜入にしても音をなるべく消した潜伏や行動を心がける。他に関しても近くの敵にバレないためにより確実に任務を期するために
なんとも言えない沈黙が続く
「あ、そうそう。無線にほとんど聞かれてるんじゃない?会話」
「へ??………。お前!?!!」
俺は唖然とする。そして赤くなった顔を手で押えた
あー……。恥ずかしい。クソ恥ずかしい
こんな恥ずかしいことを聞かれて死にたくない
よくそんな状況で際どいこと話せるな
というか普通になぜ無線を入れた?入れる必要性などないだろ?
こいつ、俺で遊んでないか?(怒)
「あー。怒った。面白いねぇ。キミ。殺すのがもったいないよ。本当に」
「っ……」
あー。弄ばれている
最悪だ。本当に……。女に遊ばれるのだけは勘弁だ
「まぁ、お姉さん。死に際しては幸運だからさ。最後にいいこと教えてあげるよ」
「え?」
俺は彼女を見る
何かあるということなのか?
まさか本部が壊滅したとか
「私が監視していた建物の近くにさ。青い建物があるの。その中に私が勤めている会社名と武器、弾薬、バイクなどの物が沢山入っている。あ、あとそこから南に4キロ行くとマカマカというレストランがあるの。そこの路地裏にドアがあるんだけど。その中にベットがあるのよ。そのベットを避けると地下に繋がるドアがある。そこに山ほどの敵の情報があるよ」
は?!?!敵情報。それもかなり気になる内容だ
もしかして、アメリカ軍の雇った密偵?
いや違う。だったら暗殺命令など出ない
何かトラップでも仕掛けているのか?
「っ、?!?そんなことを教えてしまっていいのか?!」
「別に構わないよ。私は戦場の臨場感を味わうために傭兵になったんだもの。んなの、正義のためでもないしさ。それに信じるか信じないかはあんた達次第だし。今回の任務でうちの会社は撤退するしね」
「それはそうだが……」
もしも本当だとしたら味方を不利にさせるだけだ。そんなことをしていいのか?
「まぁ、久しぶりに笑えたからいいのさ。戦場に10年間居続ければ笑うことも忘れるからね」
それは知っている。この紛争は長い。過激思想派は死を決意して動く
そんな中で晴れ晴れしい笑顔でいる奴などいない
みんな無表情で目が殺気しか満ちていない
国に帰っても常にニュースでは戦争のことばかり
本当に戦争なんてぶっ壊れてる
「もしも異世界転生されてまた会った時は抱かれてやろう。青年」
彼女は晴れやかな笑顔を俺に向けた
俺は彼女の発した発言にびっくりした
「んなっ!?!?」
赤面したあと、しばらく経って、笑って返してやった
きっと転生なんてデタラメだ。したらそれこそ因果がある
最後に美人に会えて死ねたんだからまだマシだと俺は思った
「じゃあな」
彼女はその手に握る、拳銃の引き金を引いたのだった
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