7話 『私の領地に手を出そうなんていい度胸だねぇ』


私は何故か、イヴァンに引っ張られている

というのも狩りをすることになったのだ

言わいる食料調達と訓練がてらてところかな


そんなわけでさ。狩りするならスプリグ大森林を知っている者がいないといけないんだよね

『道迷って死にました〜』じゃ、洒落にならんし

そゆことで、この森をある程度、知り尽くしているエドワードと私のどちらかが同行しないといけないんだけどさ……


だからって私の必要性ある?

なんなら私が忙しいの知ってるでしょ!

確認作業だって山ほどあることも見れば分かるよね?だって、この積もりに積もった荷物の山!

普通に見て、エドワードの方が階級は高いけど忙しくないくらいわかるでしょ!!!

ほんとふざんけな!いつかこいつイヴァンの[ピーーー]を蹴ってやる!

やっぱり、マーヴィン卿に手伝ってもらってこいつを全裸にして晒そうかな……

はぁ……。このまま、黙って引っ張られる訳にも行かないし、とりあえず暴れるか


私は思っきり、イヴァンが行こうとしている方向の別の方向にめいいっぱい力を入れて進む

そして手をじたばたさせる

リゼル「あーー!!!離せー!!忙しいんだ!!!」

イヴァン「お前ならすぐ終わるだろ?」

リゼル「あー!!!こっちとら忙しいんだよね!」

イヴァン「それよりも狩りだ」

リゼル「はぁ?!!後で出来んやろが!!」

イヴァン「……」

リゼル「あ、黙った!分かったでしょ?!だから離せ!!」

イヴァン「……はぁ。暴れ馬だなぁ……」

リゼル「んなっ!?!!私は正当な行動をしているだけなんだけど?!」


イヴァンは進むのを止める

リゼル「うわぁーーー!!??!!!」

すると急に力関係がおかしくなって、私は思っきりイヴァンにぶつかる形になった

腹立たしいことにこいつは優雅に私を受け止めやがった



イヴァンが私に聞こえるくらいの声で話す

イヴァン「犯されたくなければ黙ってついてこい」

リゼル「はっ!??!私をだっ……」

イヴァンは私の口を押さえる

そして凶悪な笑みを浮かべた

リゼル「ング〜〜〜離せクソ野郎!!!!んーーーーーーーー!!!お前のアソコ蹴るぞ!んぐーーー!!離せぇー

イヴァン「可愛い暴れ馬だな」

リゼル「……ん??んーー…何を言って…?!!ん、んぐーへ、変態!!!」

イヴァン「酷い言いようだな。まぁ、いい。今回は見逃そう。次、暴れたら抱いてやる」

リゼル「へっ……」



私は多分顔が赤いと思う。うん、だって顔が燃えるように暑い

それにしてもさ

あぁ!!!あいつ、腹立つ!

こいつ無駄に小癪になりやがって!!、

転生前の方が従順ぽくって良かったのに!!


ん?待てよ?

この男がいつから従順だと思ったんだ?

転生前の1時間ほどの間でこいつを知っているとは言えない

もしかして私、やばいタイプに首を突っ込んだ?

あの時はMっぽかったけど、実際は超のつくほどのドSの可能性だって……。あるよね……?


うがぁーー!!??!!!?!

そうなると、私が標的になっている!!!


それも多分、モテてはいたんだけど好きな人が出来なくてピー[自主規制]なわけで……

それに、絶対[ピー]タイプだわ……。あの様子は

入念に絡んでくる一途タイプだわ……

ああぁぁ〜〜〜〜!!!!

うがぁーーー!!!!!絶対やばい。あれは……

危険だわ……!見かけたらとりあえず逃げよ


うん。それで最悪、あの方達にお願いしよう

『陛下に狙われていて、困ってるんです』って

きっと分かってくれるよ。多分……。怪しいけど


うん、襲われないためにも今はゆう事聞いとこ…

リゼル「はぁ……。わかりました。ついて行きますよ。ほんとに困った陛下です」

すると彼はニコニコ笑って、私から離れた


そのあとは、特に問題なく狩りをした

魔物に多少は会ったものの許容範囲内だったのでとくに困ったりすることはなかった





それから心配していたことが起こることも無く、無事に我が家があるアイゼルに着いた

そして計画通り、最初はマーヴィン卿とエドワード、ハーバード卿の4人でアイゼルという町に入った


私が見たのものは……

見た感じ町は静かになっていてかつての賑やかさが無くなっていた

私はただ唖然と立ち尽くしていた


……どうしてこうなった?

いや、なぜこうなったの?ここはしっかりと警備もされているこの国一の安全地帯だったのに……

いや、有り得なくはないか……

父が死んだ。その上、向かった部隊は全滅

そうなれば、この地に悪党が集まるのは必然的

その上、ジェイド達が占領されたとなれば…



リゼル「なぜここまで………」

マーヴィン卿「こんなに静かで怯えているような都市を私は見たことがない。規模からして相当、栄えていた都市であることは分かる」

エドワード「リゼル様……」

マーヴィン卿「クロム卿。お城の方へ向かってみましょう」

私はマーヴィン卿の言葉に頷いた



私は城の方へ向かってみる。すると区画の警備隊に出くわした

そしてあろ事か私に剣先を向けてきたのだ


何故、私に剣先を向けるの?

幽霊とか?いや、ないはず。だって後ろには人がいるんだよ?

ということは、何かが裏にある?


リゼル「俺が分からないのか?」

警備隊員「リゼル様は亡くなった!生きているわけが無い!」

リゼル「はぁ……。ならお前たちは私の死体を見たのか?というか俺が死んでいるなら足などないだろ?」

すると彼らは私の足を見た

うん、生えてるよね?まさか生えてないとか言ったら私泣くよ?

警備隊員「え?生きてる……」

リゼル「うん。なんで勝手に脳内で殺した?それにならなぜ後ろに人がいるわけなのに偽物だと思った?」

警備隊員「でも、ジェイド様が」

リゼル「ん?ジェイドがどうした?」

警備隊員「ジェイド様がリゼル様は死んだと……」

リゼル「あのさ……。あんたら私の死体見たの?なんならいつからジェイドがこの城の主になったわけ?」

警備隊員「でも全滅したって……」

リゼル「いや、全滅してないから!なんなら捕虜として捕まったんだけど?」

警備隊員「ならなぜここに……」

リゼル「父に命令されてたからだけど?」

警備隊員「それに………」

リゼル「あんたらいつになったら信じてくれるわけ?いや、馬鹿なの?あほ?あー、アソコ蹴られたい?」

警備隊員「あ、エドワード様……」

エドワード「はぁ。そろそろ、リゼル様が可哀想だ。信じてやれ」


すると何故か泣き始めた。もう大泣き

ここまで泣く必要がないんじゃないかってくらいに泣いてる

警備隊員「……。……生きてる。リゼル様が生きておられる!!!!!うわぁぁーーん!!」

リゼル「はぁ……。私が生きてるくらいでその泣きざまだと娘が結婚した時はどうするんだ?」


すると街人が家から飛び出てきた

もう、大勢の人が泣きながら……

うわぁぁぁ!!!やめて!わかったから

すまなかったからァ!!!


町娘「リゼル様!なぜ生きてこられて?」

リゼル「あー。まぁ、生きてないとおじいちゃんが暴れそうだから生きて帰ってきたんだよ。それにアイゼルのみんなが心配だしね」

おばちゃん「リゼルさまーーー!!!!」

リゼル「はいはい。分かったから。泣かないで?」

おばちゃん「うっ、すみませんのう。リゼル様」

リゼル「うん。大丈夫だからさ」

町娘2「リゼル様はお優しいです!」

リゼル「それよりもアイゼルで一体、何が起きたの?」


爺「実は、悪党の傭兵団がジェイド様によって雇われて、それでこんなふうに……」

女将「税も繰り上げられるし、奴らが綺麗な若い女を片っ端から連れて行って犯して……」

男店主「店に入っては乱暴するし……」

リゼル「なるほどね。要はあのクソ男、ジェイドが悪巧みをしたと言う事ね」

男店主「はい。そういうことです。そのせいで余計に町は悪くなる一方で……」

リゼル「うんうん、そっか。んじゃ、早急に片付けるわ」

女将「ほ、ほんとですか!?リゼル様!」

リゼル「うん。この街を汚されて『はいはい。そうですか?』って言うわけには行かないしね。バハムートの血族の威厳にも関わるし…」



警備隊「リゼル様!俺たち警備隊もお供します!」

リゼル「ん?しなくていいよ?ていうか俺一人で片付けるつもり。王族への牽制がてらにね。それに最悪、ヒメラルギー王国が救援に入ってくれるし」

警備隊員「ですが!!奴らは信用なりません!」

リゼル「大丈夫だよ。バハムートに喧嘩売るやつなんていないし、そもそも破壊魔法で瞬殺だしね。それに君たちの仕事は街の警備。これが終わったらうーんと働かせるんだから無駄に戦わないでもらわないとね?」

警備隊員「わ、分かりました」



リゼル「そなわけでこの問題は私の問題だから手伝わなくていいですよ?マーヴィン卿にハーバード卿。エドワードもね?」

エドワード「だが、さすがにひとりでは……」

ハーバード卿「ええ。同感です」

リゼル「まぁ、どちらかと言うと巻き込んで殺したくないのが本音ですよ」

エドワード「そんなのある訳がないはずです。俺は伊達でもあなたの師です」

リゼル「はぁ……。ザッカリー卿。俺がなんて言われてるか知ってて言ってんのか?」



エドワード「知ってます。リゼル様は『皇帝のさかずき』で在らせられることも」

イヴァン卿「えっ…??!!」

ハーバード卿「皇帝の杯って……。バハムート大聖公の別の呼び名じゃ……」

リゼル「うん。そうさ、私がバハムート血族で1番の血の濃き者さ。顔を出さないから若いなんて知られてないし。その上、父だという説が濃いみたいけどね」

イヴァン「どういうことなんだ?リゼル」

リゼル「んー。まぁ、竜族は第三世代になって最もの力が強き者が生まれる。特にバハムートはその中から1人に集中して力を与えられる。だから俺はほとんどバハムートってわけ。だから祖父にバハムートにならないために従属という形で封印をしてもらってる」

イヴァン「それが角の生える理由なんだな」

リゼル「うん。そゆこと。まぁ、だから俺は5歳の時から大聖公を務めているのさ」

マーヴィン卿「そんなに偉い人だったんですね」

リゼル「ん。そうさ、偉い人さ。イヴァンよりもね。まぁ、そんなわけでさ。『皇帝の杯』が破壊魔法が使えないわけがないでしょ?ってわけ」

エドワード「……。まさかその魔法を使うつもりなんですか?」

リゼル「うん。使うつもりだよ。勝手に私の領地に手を出したんだ。木っ端微塵にされてもしょうがないだろ?」

エドワード「……。分かりました。見守ってます」

リゼル「うん。ありがと。まぁ、もしもん時はさ。おじいちゃんに道案内を頼んであっから安心しときな。それで国外に逃げればいい」

エドワード「はい」



私はエドワード達と別れた



それからは早いものだった

私は竜化を始める。すると光とともに角が生え、顔や体に鱗が至る所に現れ始める。瞳も竜眼な上にバハムートの刻印が描かれている


私は剣を抜き、城に向かった

破壊魔法を使って、例の悪党野郎共やそれに関与した悪しき者を肉片にした

城の中には血溜まりができていた



今、ジェイドの目の前にいる


リゼル「やぁ、久しぶりだね。ジェイド」

ジェイド「リゼル様?!なぜ?死んだはず……」

リゼル「何をびっくりしてるの?私はあれしきのことで死ぬほど弱くないけど?ふっ。それくらいバハムートの血族に仕える者ならば分かるでしょ?」

ジェイド「リゼル様!どうかお助けを!!私は王族に言われてやっただけで……」

リゼル「ふーん。やっぱり王族か。その王族野郎はどう殺してもらおうかなぁ。楽しみだ」

私は笑った。ジェイドは引きつった顔をして尻もちを着いたまま、後ろへ下がる

ジェイド「ひっ……!」


私は大きく前に足を出して距離を詰める

ジェイドはおもらしをしてしまう

私は笑った。きっとこの笑みを『嘲笑う』と言うんだろうけど


リゼル「私の領地に手を出そうなんていい度胸だねぇ。ジェイド?どう殺されたい?」

ジェイド「……し、死にたくない」

ジェイドは行き止まりに行き着いた

リゼル「それはちょっとないなぁ。まぁ、長い間、仕えてくれたし。楽に死なせてやるよ。喜んで!一瞬で殺してあげる」

私は大剣を振るう、すると赤黒い魔法陣が現れる。そしてあっという間にジェイドは血肉の欠片となった

城の中には濃厚な血の匂いと血溜まりが出来ていた。まさにそれは



この出来事は一瞬の話だ。多分、竜化が切れてないってことは五分も経ってない

私は破壊魔法で血肉や血溜まりを消した

地下牢に行き、マリア達を助け出す


マリア「リゼル様…。一体何が……」

リゼル「掃除をしただけだよ。愚かな子羊を抹消しただけさ」

マリア「ひっ……」

マリアは後ろへと後退した

リゼル「怖がらなくて大丈夫。良き従者とメイドには危害は加えないよ。俺は愚かではないからね」

マリア「……リゼル様」

リゼル「ん?」

マリア「よくご無事で……」

リゼル「うん。ごめんね。マリー。俺が至らないあまりに苦しい思いさせて」

マリア「いえいえ。リゼル様は悪くありません。私がジェイド様を止められなかった故に起きたことですから」



私達はこの重苦しい牢屋から出た。そして城の中を歩く

リゼル「マリア」

マリア「はい」

リゼル「ケヴィンを執事長にすると共にマリアをメイド長に昇格する。2人は王族派であるはずなのに私達を裏切らなかったからね。他のものも同様、昇給してあげて」

マリア「分かりました」

リゼル「それとここにヒメラルギー軍が泊まることは聞いているだろう?」

マリア「はい。最初は嘘だと思いましたが暗号文を見て……」

リゼル「うん。さすがマリーだね。そういうことだから騎士たちが泊まれるように配慮して欲しい。こんな事があったんだからある程度はやってくれるとは思うからそんなに張り詰めなくてもいいよ」

マリア「はい。かしこまりました」

リゼル「んじゃ、俺は陛下のところに行くよ。今はヒメラルギーの騎士だからね」

マリア「はい。行ってらっしゃいませ。主様」

リゼル「うん。行ってきます」














読んでいただきありがとうございました(人 •͈ᴗ•͈)

逃げろ!リゼル!![作者より]

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