第14話 タイムマシン(後編1)

 ふう、疲れた。

 今日もつまらん学校がやっと終わった。

 とっとと家に帰って、また姉を論破して遊ぼっと。

 小学生というのは、どういうわけか、放課後は人の家やら公園やらに集まって、ゲームとか鬼ごっことかをする習性を持っているようだが、まったくもって理解不能である。

 そんなくだらないことより、バカな大人を論破する方がよっぽど楽しいではないか。


 ところで、僕には姉がいる。大学二年生の姉だ。

 姉は、僕よりずっと愚かであるが、かわいい。客観的に見ても美人だと思う。




 ガラガラガラ。


 「たっだいまー」

 「……」


 んー?

 なんだよ、まだ帰ってきてないのかー。

 まあ、いいや。

 テキトーに何かで暇つぶしして待ってよっと。


 と言っても、この家にそんなものないんだけど……。


 えぇっ?

 

 な、なんだこれは……。


 ほうき?

 いや、でもなんか、よくわかんない部品がごちゃごちゃついてるぞ。

 これは……、見れば見るほど何なのかわからん。


 ん? 

 なんかでっかいボタンがついてる。なんだろ?


 ポチっとな。

 

 ウィィィーーーン。

 ジジジジジジジジ。

 カタカタカタカタ。

 ボシュ。ボワッシュ。


 動き出した。

 なんていうか、古臭い動き……。


 「ご主人サマ。どういたしマスカ?」


 うわっ!

 しゃべった!!

 意外と最新鋭なのか!?


 「ご主人サマ。ワタシに指示をしてクダサイ」

 「指示?」

 「ソウデス。指示をもらわナイト、ワタシはなにもデキマセン」


 会話ができるのか。

 なんだか……、おもしろそう!


 「よし!じゃあ、指示をしてやろう。だが、その前にお前の機能はなんだ?」

 「ワタシは、過去にタイムスリップすることがデキマス」

 

 え?

 じゃあ、コイツはタイムマシン!?

 ……んなわけないだろ。コイツ、僕は小四だからって、からかってるのか?


 まあ、でもいっか。

 暇つぶしにはなりそうだ。


 「よし!それなら白亜紀に行ってもらおうか」

 「ソレハ、無理デス」

 「なんでよ」

 「ドンナニ頑張っても、10年前までにしか行けマセン」

 

 なんだ、その設定は。


 「ふぅーん。じゃあ、10年前でいいよ」

 「ワカリマシタ!それでは……、ターイムトラベル!!」


 うわ、なんかすごい光り出した。

 眩しい。目を開けていられない。

 一体なんなんだよ、このガラクタは!



後編2へ、つづく。

(長くなってしまったので、二つに分けました)

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