OD日記。

そら。

3/11、ルル。そしてその前のODを振り返る。

初めて飲んだ時は

死にたくて死にたくて仕方がない朝だった。


目覚めてしまった罪悪感、

学校に行かなければいけない焦燥感。


全てが苦しく辛かった。


そんなどうしようも無い感情を胸に、

いつも通りTwitterを見漁る。


そんな時、『OD』というワードが目に留まる。

そして私は、ODという地獄に足を踏み入れた。


ODとは、オーバードーズのこと。

簡単に言えば、薬の過剰摂取だ。


私がODをする目的は2つある。


1つ目は、死にたくなる気持ちを抑えるため。

外に出ると自殺のことばかり頭に浮かぶ。

すぐ車に引かれようとするし、

すぐ電車に飛び込もうとする。

だから私はODでわざと体調不良になり、

自殺を考えられなくしているのだ。

ODの副作用で

吐き気、頭痛、目眩等に陥っていれば、

『気持ち悪い

頭痛い

目の前がくらくらする』

などで頭が精一杯になり、自殺を考えられるほどの余裕は無くなるからだ。


2つ目は、友達が妬ましいからだ。


私の友達はすごく軽いODをしている。

心配されたいらしい。

担任はその子が心配されたいだけの欲求魔

とはしらず、当たり前の如く凄く心配する。


私は、それがどうしても羨ましかった。


心配されたいというだけの理由でODし、結果担任にすごく心配されている。


そんな友達が妬ましく思えた。


きっと私が最低なだけだと思う。

だけど私は、心配されている友達が羨ましかった。


そのことをきっかけに、

私は下剤のODを何度もした。

下剤なら安いし、何かを食べればすぐ副作用がくる。

錠剤は小さいし甘いので、比較的ODがしやすいからだ。

だが、たった25tで地獄を見ることになる。

ありえないほどの腹痛と吐き気。

汚い話になるが、下痢が止まらなくなる。

本当にお腹が痛くなる。

しんどくてしんどくて、本当に辛い。

まさに地獄。


そんな時、担任は私をどう対処したか。


見て見ぬふりだったのだ。


あの子はブロン20t。

私の方が確実に副作用は辛いはずだった。

だけどやっぱり

見て見ぬふりがずっと続いた。


それがあってから

私は担任さえも怖いように思えた。

まさに自業自得だ。


それから約2ヶ月後、

私はまたODをした。

次は下剤ではなく、金ブロだ。

私が初めて飲んだ時の金ブロの錠剤は

80t。

もういい死んでやる、という勢いで歯止めがきかず、あっという間に80を飲んだ。


目の前はぐるぐるまわり、手の感覚はなくなった。

物音が脳にぶち込まれるように、鮮明に耳に入ってきた。

今までにない感覚で、楽しんでしまった。

だが、あまりの気持ち悪さにトイレで吐きまくった。

おかげで薬は早く抜けて、担任が私の方を見ることは無かった。


そして今日、3/11(木)

再チャレンジした。

金ブロではないが、ルルを飲んだ。

一気に減るとバレるだろうと、26tだけ。


飲んで10分弱で、じわじわと吐き気がしてきた。

少し楽しんでいると、あっという間に学校の時間になった。

朝から登校し、席に着く。

まだ全然平気だった。


だが、2時間目の途中から、妙に周りがぼやついて見えた。

文字が読めなかった。


2時間目の技術はパソコンだった。

パスワードを先生に見せてもらい、ノートに写す。

たったこれだけの工程が出来なかった。


文字を読むことは出来た。

何が書いてあるかもわかった。

だが、書けなかった。

自分が今どの文字を写しているか、途中でわからなくなるのだ。

そして襲いかかる文字のぼやけ、吐き気、頭痛。

授業に参加するのがやっとなくらい、何も出来なかった。


そしてしばらくして給食の時間になった。

「おぉどうしたそら、ぐったりしてるけど」

と担任が声をかけてくれた。

だが、声が出せなかった。

「睡眠薬飲んでるから?そういうこと?」

先生からの問いかけに、私は

首を横に振ることしかできなかった。


そしてすぐ副担に、

「どーしたの、元気ないね。眠い?」

と聞かれた。

首を横に振った。

「ん〜、寝れてないでしょ?寝れてても眠りが浅かったりしない?何回も寝返り打っちゃうとか。」

首を縦に振った。

「あ〜そっかぁ…。よしよし」

そして左二の腕を撫でられた。


結局、あの子の時のようにはならなかった。


もっとだ。

もっと副作用強くして、

もっともっと私が苦しめば

もっと私の方を見てくれるのではないか。

そんな風に、どんどん考えが歪む。


薬物依存してしまう人の気持ちが、ほんの少しわかってしまった気がした。


だが私を一番心配してくれたのは

小学生から仲のいいTだった。

私のツイートを見てくれている方には

分かるかもしれないが、

私が「イケメンくん」と呼んでいる子だ。

Tとは小学生の頃から仲がいい。

一緒に映画に行ったこともあるし、家で遊んだこともある。

今でもよく遊ぶ。

あの子の整った顔つき、

姉との仲の良さからくる女への優しさ。

頭の良さ。

部活動でキャプテンをやれる程の実力がある、スポーツ万能さ。

全てが完璧、まさに天才美少年だった。

そんなTに想いを寄せる人は後を絶たない。


そんなTがなぜ私にばかり近づいてくるのかと言うと

はっきり言って私が好きだからだ。

小学生の頃、2人で祭りに行っていた時

太鼓の音が鳴り響く中、Tに言われた言葉は

"好きだよ"の一言だった。

まさか告白されるなんて思っていなかった私は、太鼓の音で聞こえなかったと嘘をついた。


そしてこの間、Tの親友にTの好きな人を聞いた。

まだ私だった。


それからというもの、Tは他の女ではなく

私に近づいてくるようになったのだ。

だからか分からないが、

あの子はすれ違う度に

「やっほー!」と言って手を振ってくる。

そしてそれを見た女子は、必ず

私を睨みつけてくるのだ。


『なんであいつなの?』

『は?いいよねー幼なじみは。』

『調子乗んなよ』

沢山の悪口を言われた。


そして今日の帰り際、

Tはすぐ私の異変に気づいてくれた。

友達には先に帰って、と頼んでいた。

何故そこまでするのか、到底私には理解できなかった。


「やっほー!」

「おっTじゃん!やっほー!」

「…あれ、どうしたの、大丈夫?」

「え、何が?」

「いや、何となく具合悪いのかなって」

「全然平気だよ!ありがとう」

「大丈夫じゃないよね?」

「へ」

「んーん、なんとなく。気をつけてね」

「うん、ありがとう」

「じゃあ、またね!!👋」

という様な会話を終えると、

私の顔からは自然に笑みが浮かんだ。

あの子の性格は、小学生の頃から変わらずにずっと優しい。

友達思いで性格がいい。

この人と付き合えば幸せになれる事は確定していた。

だが私は、やっぱり担任が好きだった。


来年、Tと同じクラスになれたらいいな。

そんなことを思いながら、1人で帰った。


ルルのODは楽しかったから、きっとまたやると思う。


とりあえず20T飲んで感じれた副作用は、

・周りがぼやけて見える

・頭がはっきりせずぼーっとする

・軽い吐き気

・文字が写せなくなる


の、主に4つだった。


明日は40t飲もうと思ってる。


その時にはまた、ここに記録する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

OD日記。 そら。 @sora_1228

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ