第3話 召集

 魔物が増えた。

 以前はグニが現れ、退治せずに十日程で魔ネズミ、それからしばらくたって魔兎、それから魔狼………と段階を踏んでいたのに、グニを潰しても猶予なく魔物が現れる。


 そうまでなると、さすがに村人たちもンジャヤ一人を頼れない。村人たちはしぶしぶ、グニ潰しにせいを出すようになり、グニ潰しの上手いものは魔物を倒すようになっていった。


 それでも、ンジャヤよりも上手に魔物を倒せる者はいなかったし、怪我をせずに立ち回るのはいつもンジャヤばかりだった。


 村に、国からお触れが来た。

 ンジャヤが都に向かうことになった。

 魔物の軍勢と戦うのだそうだ。


「行きたくない」

「ンジャヤは強いもの、大丈夫」

「ンジャヤ、応援してるからな!」


 理不尽だ、とンジャヤは嘆いた。

 だがどれだけ嘆いたところで、それで行かずに済むよう、出来るわけではない。


 村の誰もがンジャヤの活躍を信じているようだった。


(そんなにうまく行くわけ無いのに)


 ンジャヤはとぼとぼと、都に向かう乗り物に乗り込んだ。


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