第5話

次の子は、特殊な理由により我が家に来ることになった子です。


その子は、私の幼馴染の子がもらったものの、大型化してしまい、その子の祖父母が飼育していたというその時点で、えっ?的な感じではありました。

明らかに秋田犬入ってますよね?って感じの雑種でした。


うちのジュリーより若く、ムクムクより少し先に生まれた子のようでした。

名前をチロと言います。


そんなチロに突如不幸がふりかかります。

なんと、幼馴染の祖父母が、自殺をしてしまい、居場所が無くなります。

そして、その葬儀の後、幼馴染の親族は、平然と保健所に連絡するか。と言ってのけました。


それに激怒した、我が家の母は、

我が家で大切に育てます。と、家で面倒をみると断言し、学校の終わった直後、そこへ寄り、チロを我が家に連れて帰りました。

それが、小学5年生の頃。


それから、その幼馴染や、親戚とも交流せず、一度もその子がチロに会いに来ることもなかった。


チロもその後、長生きしました。

チロは、最初男の人には懐きませんでした。

父がしつけ直して、我が家の男共に懐かせました。

が、他所の人は女も男も無理でした。


そんなチロも15歳の頃、遠州灘の海を散歩している時、どこからともなくシェパードが来て、チロを襲いました。若そうなシェパードは、チロの体を噛んでます。飼い主を探すと、遠くで手を叩いて笑っていました。

このクソ飼い主〜と、思い、怒っていたら、そのうち、シェパードがキャンと言い、逃げて行きました。

どうやら、歯もなくなってきているチロの噛む力の方が勝っていたようです。


チロ、ゴメンね。と泣いたら、大丈夫。って、顔を舐めに来たので、安心しました。


チロは、ムクムクの少し後にこの世を去りました。

今はきっと、元の飼い主の幼馴染の祖父母や、家の両親と仲良くしてると思っています。

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