第12話 クリスマス前
クリスマスが近づくと、中央芝生の時計台は、左右に植えられた大きな樅の木に、色とりどりのあざやかなデコレーションが施されて、絵はがきのように美しかった。
講義が終わると、早くも日が落ちて暗くなった中に、イルミネーションが輝く。
美彌は、うっとりした顔でその光を見つめている。
「ねえ、クリスマスは家に来て。ごちそうするから」
美禰は常二の肩に頭を寄せながら、そう言った。今の二人なら、美彌の母に、なんら負い目を感じることはない。
「うん、行くよ。楽しみだね」
そう言って美彌のほおにそっと口を寄せると、
「うふっ」と言って白い歯を見せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます