第2章 



地球の地に降り立ち、開発を始める


      1



 キャプテンは男と女一名ずつを指名した。


「ロッド、アニー一緒に地上に降りてくれ!」


アニーはにっこり笑って、

「光栄です。」



「よろこんでお供させて頂きます。」

ロッドも興奮気味に言った、


 三人は室内を少し移動して、丸い筒状の光のエレベーターに乗り地面に降りたのだ。


太陽の光りが燦々と降り注ぎ、

青い空には白い綿菓子の様な雲が浮かぶ、春の陽気のようで爽やかな風が草原を駆けめぐり、三人の頬を優しいくなぜていく―。 


キャプテンは少し歩いた後、地面を手で触り、周りを見渡して…


大きく深呼吸をすると、


「とても美味しい空気だ」

両手を広げて一言


「よい所だなー」と言って大きな笑い声を上げた。


ロッドは大きく頷いて、

「そうですね」


アニーは、

「きれいな所ですね。」

と笑顔で言った。


五分くらい滞在した後で三人は船に戻ると、キャプテンがホープに言葉をかけた、


「ホープ、この場所を住処にするので工事を始めてくれ」


「了解しました」


するとホープは百メートルほど浮き上がり、

船の腹の面に大きな円形の窪みを作り、そこから回転する光を出して、

強弱をつけながら地面を平面に削って行き半径五百メートルほどになった所で停止をして地上に降りた。


「キャプテン地上に全員降りてもらい待機してください」


「了解した」と言ってすぐ船内放送を始めた。


「みなさん只今から工事が始まります。全員地上に降りてそのまま待機してください」



        2


そして全員が降りたところでホープは四つ足動物の姿に形を変えて、歩き出し瓦礫の山に向かっていく、


「かっこいい」と子供が言うと、


「歩いてる姿を見るのは初めてだな」誰かが言った。


瓦礫の山の所でしゃがみこみ大きく口を開けて、瓦礫を食べ始めたのだ。


ホープは雑食で、あらゆる全ての物を栄養にする。


背中の穴からピーピーピーという音をたて、煙を吐きながら前に食べ進んで行くと、後部から四角い大きなブロックが次々と出てきた


その姿は凄まじく<ガシャンガシャン バリバリ>とものすごい音を出しながら食べ続けている。


それを見ていた人達は、

「ホープすごいな!」


あっけにとられながら、


「喜んで食事をしているようだね」


「でもなんだか楽しそうだよ」


約二時間ほどで一周をして作業は終わった。


それを見ていたキャプテンは腕のリングで、

「ホープ終わったようだね、続きは明日にしようか」


「そうですねキャプテン。続きは明日にしましょう」


ホープは戻ってきて人々の前で

楕円形の建物になったのだ。



        3


 中の様子は食堂に行く人達と司令室へ集まるクルー達、

そのまま会議室へ移動して室内のドリンクの機械から好きな飲み物を片手に集まって来る、


皆が席に座るのを確認してキャプテンは話しはじめた。


「諸君、大変お疲れ様でした。

長い旅を終えこの星にたどり着き、今日は記念すべき日になりました明日は住居とインフラを整えるために、

朝八時より作業を開始します、

またこの星の調査のために調査隊から、東西南北計四名出動してください、

それからもう一つ今からこの星の名前を決めようと思うので皆の意見を聞いてみたい」


その後三十分ほど協議した結果【アース】と言う名に決まった。


 会議で決まった事や明日の工事の時間などを乗員全員にメールを送った。


        4


 そして次の日の朝八時ごろ続々と人々がホールに集まってきた。


ホープの後部出入口から、

大型作業車(リモコン操作)と作業用ロボットが二十台ずつ出てきた、

まず作業車とロボットがペアになり四方に別れ、ブロックが山積みになっている方へ向かって行った、

各自ブロックを所定の位置に並べたり、小山を作ったりしている。


そして一通り作業ができたところで、ホープから円盤型の飛行物体が四機出てきて、

四方に別れ積み上がったブロックに光を当てていくと、


【ホープの中に、キャプテンとクルーたちが決定した町の設計図があり、円盤型の飛行物体から出る光は岩や土、木材などの物質を分子や原子に戻し設計にあわせて変換させる】


 見るみる間に建造物が出来上がっていく、次に大型のロボットが出てきてドリルに変身すると、

地面に潜って行った、十分くらいでロボットが戻ってくると、

その後大量の水が噴き出してきたのだ、


そこへ円盤が来て光を当てると、噴水のある公園が出来た、

やがて全ての作業が終わって町が出来上がり。

キャプテンは町が完成したことを確認すると全員にメールを送った。


そして人々が動き出して大騒ぎで町を見学したり、

自分達の住む建物に入っていったりしている。


ここで町の概要(がいよう)を説明しておこう。


まず外は高さ五メートルの塀が一週回っていて、

東西南北に大きな門があり、それ以外に人の通れる出入口が十六箇所、

人が通る時はバックルがセンサーに反応して開閉する、

また塀の上にはフクロウ型とタカ型の監視をするロボットが十羽ずつ配置している。


真中のホープを囲むように建物が並び東側に噴水がありその他は公園のようになっている。

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